履歴書とは、新卒採用における就職活動、インターンシップ、アルバイトなどで企業に提出する応募書類のこと。日雇いバイトや単発バイトなど履歴書が不要な場合もありますが、基本的には必要なところが大半です。
昨今の新卒採用ではWebエントリー(履歴書に記載する内容をすべてWeb上のフォームで回答する形式)も存在しますが、まだ紙の履歴書を求められるケースもあります。
履歴書を記入する際には細かいルールや一般常識が多数存在するため、ポイントをしっかりと押さえておき、整った履歴書を書けるに越したことはありません。加えて、新卒採用なのか、インターンなのか、アルバイトなのかによっても履歴書の記述方法や気を付けるべきポイントが異なります。
今回は、上記3種類の履歴書の書き方についてご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
履歴書について
履歴書とは就職活動、インターンシップ、アルバイトなどで企業に提出する応募書類です。
アルバイトやインターン選考で必要
人気のインターンでは応募者が多数の場合、参加者を選抜するための選考を行うケースがあります。アルバイトにおいても面接側は、短い面接時間の中で採用すべきか否かを判断する必要があります。
そこで利用されるのが履歴書です。アルバイトやインターンで自身の職歴や志望動機、人となりが簡潔に記載された履歴書は、企業側とマッチするかを短時間で判断しやすい材料であるため、双方にメリットがある資料と言えます。
新卒の就活でも必須
同じく新卒の就活でも履歴書は必須です。近年はデジタル化の促進により、すべてWeb上で必要事項を記入する「Web履歴書」も普及しつつあります。
現時点で履歴書を提出する企業にエントリーしていなくても、今後のために書けるようにしておくことは重要です。
厚生労働省が推奨するテンプレートがある
そんな履歴書には、厚生労働省が推奨するテンプレートがあります。
https://doda.jp/guide/rireki/template/
基本的にはこちらのサイトに添付してある履歴書を使えば問題ありません。ただし、企業指定の履歴書がある場合はそちらを使うようにしましょう。
”PC作成”か”手書き”かはケースバイケース
履歴書の作成は、PCで入力するかすべて手書きするかを選ぶことができます。
PCの場合は誤字脱字の修正ができ、入力スピードも格段に早いです。ただしその分無機質で、機械的な印象を与える場合があります。
対して、すべて手書きする場合は、「一生懸命書いてくれた」という熱意が伝わる一方で、誤字脱字があればイチから書き直す必要があり、書き上げるのにも時間を要します。
基本的にはPC作成で問題ありませんが、伝統のある業界や個人経営のアルバイトであれば印象が変わるケースがあります。提出先によってPC作成と手書きを使い分けるのが無難です。
新卒就活の履歴書の書き方
まずは、新卒就活における履歴書の書き方についてご紹介します。
「学歴」は中学か高校から書く
まずは「学歴」の項目から見ていきます。履歴書には必ず学歴を記入する欄が設けられています。学歴はあなたがこれまでにどのような教育を、どこで受けてきたかを伝えるために必要です。
そして当然ですが、学校名は省略せず正式名称で記述しましょう。また、入学・卒業年月は正確な記述を心掛けましょう。分からなくなってしまった場合は、自動計算機を用いるのも手です。記述する際は入学・卒業の年を西暦、和暦表記を統一するようにしましょう。
また、「学歴はどこから記述すればいいの?」と悩まれる方もいるかと思います。結論としては、欄に余裕があれば中学校から、余裕がなければ高校以降を記述しましょう。大学のみの記載は、「情報が足りない」と判断されてしまう場合があります。
「職歴」はアピールしたい場合のみ記載
次に「職歴」の項目を見ていきます。転職の場合は過去の職歴などを記述しやすいですが、多くの大学生は「アルバイトを職歴として記述しても大丈夫?」と悩まれると思います。
この点については、以下のいずれかであれば記述しましょう。
- アルバイトやインターンで長期の勤務を経験した
- アピールに使える職歴である
短期間で辞めたアルバイトの経歴がたくさん書かれていると、面接官は「採用してもすぐに転職するのではないか」と考えてしまいます。必ずしもすべてのアルバイト経験を記述する必要はないので、「アピールになるか」という点で判断してください。
また、履歴書に記載した以上は、面接の際に質問されてもおかしくありません。どの角度から質問されても答えられるように、必ずエピソードの深掘りを行っておきましょう。
「免許・資格」は正式名称で書く
次は「免許・資格」の項目です。取得している免許や資格は必ず正式名称で記述しましょう。免許や資格は、選考突破のためのアピール材料となります。
「業界について知識はありません」と話す就活生より、「○○の資格取得を通じて得た業界の知識を入社後も活かします」と話す就活生のほうが、魅力的に映るのは当然です。曖昧な表現や略称ではなく、必ず正式名称で記述しましょう。
なお、正式名称に注しておきたい免許・資格には以下のようなものがあります。
- 英検1級 → 実用英語技能検定 1級
- TOEIC → TOEIC Listening&Reading Test 700点 取得
- 宅建 → 宅地建物取引士試験 合格
- 普通免許 → 普通自動車第一種運転免許
- バイク免許 → 普通自動二輪車免許
正式名称が分からない場合は、必ず調べるようにしましょう。
「志望動機」は企業ごとに内容を調整する
志望動機は「その企業で働きたいと思った理由」のことで、面接官はこの質問を通じて自社への志望度、入社後の職種などについて考えます。前述した免許・資格などのスキル面も採用されるためには必要ですが、「どういった思いで志望し、入社してから何を成し遂げたいのか」といった志望度の高さも他人と差別化するために重要です。
したがって、志望動機は応募する企業ごとに別の内容を書くようにしましょう。同じ志望動機を使い回すと整合性が取れなくなり、仮に履歴書が通過しても面接で深掘りされた際に、一貫性を保つのが難しくなる可能性があります。
「本人希望記入欄」は強い希望がない限り定型文
結論、この項目を無理に埋める必要はありません。もちろん、絶対に配属されたい部署・職種がある場合や、何かしらの強い希望があれば記述するべきですが、特にない場合は「貴社の規定に従います」などと記述するのが無難です。
また、仮に記述する場合でも書き方には注意しましょう。例えば、給料や年休取得といった待遇面に関する記述は面接官にマイナスイメージを与える場合があります。「労働の対価として○○円欲しい」と思うのは当然ですが、それを全面に押し出すと面接官も身構えてしまうでしょう。
そうした点を考慮しつつ、特に強い希望がなければ無難な書き方をしておきましょう。
特別な指定がない場合は”PC作成”でOK
企業から指定されていない場合は、PC作成で構いません。
むしろ、1日に何枚も作成する履歴書をすべて手書きするのは現実的ではありません。タスクの多い就活生にとってただ履歴書を量産することは時間のロスにもつながるため、指定がない場合はPC作成で済ませ、面接対策や企業分析といった他の就活に時間を使うほうが有意義です。
もちろん手書きでもまったく問題はありません。業界や企業によって使い分けることが理想です。
インターンにおける履歴書の書き方
次にインターンシップでの履歴書の書き方をご紹介します。人気のインターン先では、履歴書の審査で参加可否が決まる場合もあります。しっかりと書けるようにしましょう。
基本的には新卒履歴書と同じ
履歴書のフォーマット、書き方、気を付けるべきポイントなどは前述した新卒履歴書と同じです。
志望動機については、「なぜそのインターンに参加したいと思ったのか」「そのインターンに参加して将来的にどうなりたいのか」などインターンに絞って記述しましょう。
企業に対する志望動機を書き連ねても、「なぜインターンに応募したのか」は見えてきません。あくまでもインターンに対する履歴書である点を理解しておきましょう。
「本人希望記入欄」では希望条件をしっかり記載する
前述した新卒履歴書では、「本人希望記入欄は定型文で構わない」と説明しました。
インターン採用の場合は、正社員での雇用が前提となる新卒採用とは異なり、フルタイム勤務を前提としていないケースが一般的です。そのため、本人希望記入欄に何も書かれていないと、「出勤できない曜日や時間帯はない」と企業側に判断されてしまう恐れがあります。
大学の授業やゼミなど、自身のスケジュールに沿う形で、勤務希望時間や、出勤可能な曜日などを記載しておくようにしましょう。
アルバイトにおける履歴書の書き方
最後にアルバイトにおける履歴書の書き方を紹介します。新卒やインターンとアルバイトでは書き方が異なる点もいくつか存在しますが、略称を使わない、手書きとPC作成を使い分けるなど、基本的には同じです。
アルバイトの場合は履歴書を求められる可能性が高いので、しっかりと書けるようにしましょう。
JIS規格の履歴書テンプレートがおすすめ
アルバイトの履歴書を書く際は、JIS規格の履歴書テンプレートがおすすめです。なぜなら、JIS規格の履歴書であれば、通勤時間の記入欄があるためです。
アルバイトはリモート勤務よりも出勤前提のものが多く、企業側も「交通費がいくらかかるのか」「何分ぐらいで来られるのか」といった情報を求めています。他の履歴書テンプレートであれば通勤時間の欄がないものも存在しており、その場合は本人記入欄などに書く必要が出てきます。
以上の理由から、JIS規格の履歴書を用いるのが安心です。
「職歴」に過去経験したアルバイトを記載する
新卒やインターン採用においては、職歴のない就活生に即戦力としての活躍はあまり期待していません。むしろ企業側が育成に時間をかけ、長期的に企業の成長へつなげるための投資としての側面もあります。
逆に、アルバイト採用は現時点でリソースが足りておらず、業務を回すための即戦力として期待する側面が大きいです。そのため、稼働できる時間数など条件の折り合いがつくかどうかだけでなく、過去のアルバイト歴を参考にすることもよくあります。
過去に同じような仕事を経験していれば、採用側は育成コストをかけずに済む場合もあるため、過去のアルバイト歴でアピールできるものは可能なかぎり記載したほうが良いと言えるでしょう。
「志望の動機」は人物面のアピールを多めに
新卒・インターンの履歴書では免許や資格といった能力面のアピールも大切ですが、アルバイトの履歴書については「人物面のアピール」を多く入れるよう意識しましょう。もちろんアルバイト先にもよりますが、スキルや能力より人柄で合否が決まることが多い傾向にあります。
理由としては、他に働くアルバイトの方々や、小売店であればお客様と友好な関係が築けるか、トラブルを起こす恐れはないかといった点も見られます。「仕事内容が楽そうだから」「時給が高いから」などと書くのではなく、しっかりと人柄をアピールするようにしましょう。
「本人希望記入欄」では希望条件をしっかり記載する
アルバイトの履歴書における「本人希望記入欄」では、希望する条件をしっかりと提示しましょう。具体的には、以下のような内容が挙げられます。
- 勤務地
- 採用形態
- 勤務できない曜日、時間帯
また、自分の携帯電話に連絡してほしい場合は、その旨と電話番号も記載しておきましょう。
この本人希望記入欄で条件をしっかりと提示しなければ、アルバイト先からは「どんな条件でも仕事をしてくれる人」と認識されてしまう可能性があります。
初めのうちから、できないことははっきりと「出来ない」「難しい」と示すことが大切です。
余裕があれば”手書き”で提出するのもあり
新卒・インターンの履歴書と同様に、指定がなければ基本的にPC作成で問題ありません。繰り返しにはなりますが、手書きかどうかよりも「どのような内容が書かれているか」のほうが大切です。
ただし、稀に個人経営の店舗などでは、面接官となるオーナーの印象で合否が決まるケースもあります。そういった個人店で働きたい場合は、”手書き”を選択するのも有効です。さらに印象を良くする手段として、美しく読みやすい文字で、分かりやすい文章を簡潔に記述する、といった基本的なポイントは押さえておきましょう。
どうしても手書きとPC作成で迷ったり、不安を感じたりするのであれば、アルバイト先に応募電話やメールをする際に、直接確認してみるのも手です。
まとめ
今回は、新卒・インターン・アルバイトの履歴書の書き方というテーマのもと、それぞれのポイントや注意点をご紹介しました。履歴書の出来は、面接官があなたに持つ印象を大きく左右します。
丁寧で簡潔に記述された履歴書は良い印象を与える一方、求めている情報が書かれていない履歴書は信頼を損なう恐れがあります。
「たかが履歴書」と考えるのではなく、読んだ担当者が採用したくなる履歴書を目指しましょう。