近年、「人生100年時代」という言葉を耳にする機会が増えました。これは単に平均寿命が伸びただけではなく、生き方やはたらき方、学び方などの多様性が増してきたことを示していると言えます。特に、若い世代である大学生の皆さんにとって、この100年時代の波に乗るための準備は、今から始めることが重要です。
これからの長い人生をどのように過ごすか、どのようなキャリアを築くか、何を学び続けるか。これらに関しては、一昔前とは異なる考え方や準備が求められます。本記事では、「人生100年時代」の背景やその意味、そして大学生が意識しておくべきことについて深く探っていきます。
人生100年時代について
人生100年時代とは?
人生の長さが増加する背景
「人生100年時代」とは、具体的にはどういう意味なのでしょうか。
昨今の医療技術の進歩や生活環境の向上により、私たちの平均寿命は徐々に伸びてきています。特に先進国においては、100歳まで生きることが珍しくなくなってきました。
平均寿命の伸びとその影響
そんな中で私たちが気を付けなければならないのは、ただ長生きするだけではなく、その長い人生をどのように過ごすかです。平均寿命の伸びがもたらす影響は、単に「老後が長くなる」ということだけではありません。人生のステージごとの過ごし方や考え方も大きく変わってきているのです。
今までの常識の変化
“新しい中年”の考え方
人生100年時代になると、これまでの常識や社会の枠組みも少しずつ変わってきます。例えば、40~50歳あたりを「中年」と呼んでいた時代もありましたが、100年も生きると考えた場合、50歳はまだまだ中間地点です。
定年後の第二の人生
また、60歳や65歳での定年退職という考え方も変わりつつあります。健康であれば、定年後に第二の人生、第三の人生を迎えることも十分考えられます。そうした新しいライフステージで何を学び、どのような活動をしていくのか。これからの大学生にとっては、とても重要な問題となってくるでしょう。
社会の変化とその影響
経済・雇用の変容
人生100年時代が訪れると、私たちを取り巻く社会も大きく変わります。まず注目すべきは、経済や雇用の状況の変容です。これまでの「一度就職したら定年までその会社ではたらく」というスタイルは、少しずつ廃れてきています。多様な雇用形態が生まれ、キャリアの選択肢が広がっているという背景もあります。
ライフスタイルの多様化
また、ライフスタイルの多様化も進んできました。家族の形、はたらき方、趣味や生きがい、すべてが多様性を増しています。そのため、自身の生き方を選択する上でより柔軟な考え方や価値観が求められるようになってきました。
グローバルな視点から見た100年時代
日本だけでなく、平均寿命の伸びは世界中で進んでいます。特に先進国では高齢化社会が進む中、さまざまな取り組みや制度が試みられていますが、日本と他国とでは高齢化に対する取り組みや考え方、社会のシステムが異なります。
例えば、北欧諸国では国のバックアップによる福祉制度が非常に充実しており、老後も安心して過ごすことができるとされています。一方、アメリカなどの国々では、個人の責任で健康や資産を管理する文化が根付いています。日本も、これらの国々から学びつつ、独自の高齢化対策を進めていかなければなりません。
大学生にとっての意味
人生100年時代がもたらす変化は、大学生にとっても大きく影響します。では、この時代を迎える大学生が意識しなければならないのは、どのようなことでしょうか。
まず、学びとキャリアの関係について考えてみましょう。今までの「大学を卒業して一つの会社に就職し、そこで定年まではたらく」という一般的とされた価値観は、徐々に変わってきています。新しい時代には、一生を通じてさまざまなスキルや知識を身に付け、複数のキャリアを持つことが一般的になるかもしれません。そのため、大学時代に学んだことを基盤として、絶えず新しい学びを続ける姿勢が大切です。
また、未来を見据えた選択が求められるようにもなります。例えば、自分の興味や専攻だけでなく、社会の動向や求められるスキルにも目を向けることが重要です。そして、自分のキャリアや人生にどのように取り入れるか、自らの判断で選択していく必要があります。
長い人生をどうデザインするか
ライフプランの再考
人生100年時代を迎える中で、これまでのライフプランを再考する必要があるかもしれません。特に20代と30代の生き方は、将来の基盤を築く上で非常に重要です。
20代・30代は、キャリアを築くための土台作りの時期です。これまでの常識では、「一つの会社に入り、そこで一生を終える」ことが多かったですが、人生が100年を超えるのが当たり前の時代では、一つの職種や業界での経験だけではなく、多様な経験を持つことが求められるようになってきます。
そのため、若いうちから積極的なキャリアプランニングをすることが大切です。自分の興味や強みを活かしつつ、時代の変化や社会のニーズを捉え、柔軟にキャリアをデザインしていくことが欠かせません。
学び続ける重要性
また、長い人生を生きる上で「学び続ける」ことの重要性は、これまで以上に高まっています。技術の進化や社会の変動は速く、今持っているスキルや知識だけで将来を生き抜くのは難しいかもしれません。
そこで、スキルのブラッシュアップや再学習が必要になります。特に、新しい技術や知識を取り入れる「リスキリング」のプロセスは、今後のキャリアを築く上での大きな武器となるでしょう。また、終身学習の意義も変わってきています。学び続けることは単なるスキルアップのためだけでなく、自身の成長や新しい価値観の獲得、そして長い人生の中での充実感を得るためにも重要です。
健康との関わり
人生が100年を超える時代、健康は非常に大切な要素となります。長くはたらくため、そして質の良い生活を送るためにも、健康管理は欠かせません。
まず、日常の生活習慣が健康を保つ上での基盤となります。食生活、睡眠、ストレスの管理など、日常の小さな習慣が積み重なり、それが長期的な健康を左右する要因となります。特に若いうちからの生活習慣の見直しは、将来的な健康リスクを減少させる上で有効です。
また、健康の維持には適度な運動が欠かせません。運動を習慣化することで心身ともにリフレッシュすることができ、さらに病気の予防や、心の健康の維持にも寄与します。
資産形成
人生100年時代において、経済的な安定はこれまでよりもさらに重要な要素となります。長い人生を安心して送るには、資産形成が欠かせないからです。
若いうちから資産形成に取り組むことの重要性は多くの人が認識していますが、実際には難しいと感じるかもしれません。しかし、コツコツとした積立や適切な投資によって、将来の資産は増やしていくことができます。
また、将来への投資という視点も大切です。金融商品だけでなく、自身のスキルや知識、経験を増やすことも大切な投資と言えます。これからの時代、柔軟に変化に対応していくためには、こうした投資の意識を持つことが重要です。
正社員以外の道の模索
これからは一つの職業や会社に長く勤めるというはたらき方だけでなく、多様なキャリアの形を追求できる時代になっていきます。大学生の皆さんにとっても、正社員という選択だけでなく、さまざまなはたらき方を考える余地が増えてくるでしょう。
多様なはたらき方として、フリーランスや独立、副業などの選択肢を考慮する必要があるかもしれません。これらのはたらき方は、自分のペースで仕事をすることができる点がメリット。しかし、自身で仕事を見つける必要があったり、収入が不安定になるリスクも考えられるため、しっかりとした準備や計画が必要です。
大学時代に身に付けるべきスキル・マインド
ソフトスキルの重要性
近年、企業が重視するのは専門的なスキルだけではありません。ソフトスキルと呼ばれる能力も非常に重視されています。ハードスキルがプログラミングやデザインなどの専門的な技能だとしたら、ソフトスキルはコミュニケーション能力や問題解決能力などの基礎的な能力を指します。大学生の皆さんは、この時期にソフトスキルをしっかりと身に付けておくのが良いでしょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは、人との関わりの中で意見や考えを適切に伝え、相手の話を聞き、正しく理解する力を指します。グループワークやプレゼンテーションの際、この能力は非常に役立ちます。
問題解決能力
問題解決能力は、困難な状況や問題に直面したときに、冷静に考え、適切な解決策を導き出す力を意味します。この能力は、ビジネスの現場はもちろん、日常生活においても大変役立つスキルと言えます。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングは、情報を整理し、論理的に考える力を指します。これは、高度な知識や専門的なスキルを持っているだけでは得られない、深い思考力を必要とするものです。
テクノロジーとの関わり
100年時代を迎え、テクノロジーの進化はますます速くなっています。そんな中で、テクノロジーとの適切な関わり方を学ぶことも大切です。
ITリテラシー
ITリテラシーとは、情報技術を適切に利用する能力を指します。パソコンの基本操作やインターネットの利用方法はもちろん、情報の収集や分析、保護に関する知識も含まれます。ITリテラシーは、現代社会において必須と言えるスキルです。
DXスキル
DXはデジタルトランスフォーメーションの略で、テクノロジーを利用して業務やサービスを革新するプロセスを指します。これは、デジタル化を進めたい企業や組織にとって、非常に貢献度の高いスキルです。DXに関する基本的な知識や考え方を学ぶことで、将来のキャリアにおいても大きな強みとなるでしょう。
リベラルアーツの習得
現代の社会は、情報が溢れかえっています。この多様な情報を正しく受け取り、適切に活用するためには、専門的な知識だけでなく、広範な知識や視野も求められます。そこで大切になるのが、「リベラルアーツ」の習得です。
リベラルアーツとは、一般教養としての学問のこと。具体的には、文学、哲学、歴史、芸術、社会科学、自然科学などの幅広い分野を網羅するものです。これらの学問を学ぶことで多角的な視点を持ち、さまざまな情報を総合的に捉えられるようになります。
では、なぜ大学生はリベラルアーツを学ぶべきなのでしょうか。第一に、リベラルアーツは、多様なバックグラウンドを持つ人々とのコミュニケーションを円滑にする手助けとなるからです。例えば、ビジネスの場で異なる文化や価値観を持つパートナーとの関係構築が必要となった際、リベラルアーツの知識は大いに役立ちます。
第二に、リベラルアーツでは複雑な問題を解決するための思考力が養われます。現代の課題は多岐にわたり、一つの専門分野だけで解決するのは難しいケースも多いと言えます。そのようなとき、異なる分野の知識をつなぎ合わせて考える能力が求められます。
リベラルアーツは生涯学習の土台となります。専門分野の知識や技術は時代とともに変わりますが、リベラルアーツで学んだ考え方や視点は一生の資産となるでしょう。
まとめ
人生100年時代を迎える今、私たち一人ひとりが直面する選択や課題は多岐にわたります。しかしその中で最も大切なのは、自身の価値観や目標を持ち、それに基づいて行動することです。長い人生を有意義にすごすためには、常に学び続ける姿勢や柔軟な考え方が求められます。
人生100年時代は、不確実性や変化が多い時代でもあります。しかし、それだけに新しい価値や意義を見つけ出すチャンスもたくさん存在していると言えるでしょう。本記事を通じて、大学生の皆さんがこの時代を生き抜くためのヒントや考え方を少しでも得ることができれば幸いです。
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