第二外国語の「アラビア語」について解説!メリットや将来性、習得難易度


大学の中には、第二外国語としてアラビア語を学べるところもあります。しかし、履修する学生はあまり多くありません。その理由は馴染みのなさや、一般的に言われる難易度の高さなどにあります。その一方で、アラビア語学習にはメリットや将来性があるのも事実です。本記事では、アラビア語の特徴や習得難易度について解説していきます。

アラビア語学習のメリットと将来性

中東エリアを中心に話されている

アラビア語は、中東地域を中心に広く使用されている言語です。サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)などの中東諸国はもちろん、北アフリカのモロッコやアルジェリアなど、20以上の国々で公用語または準公用語として使われています。これらの国々の総人口が約4億人に達していることからも、アラビア語話者の多さがうかがえます。

このように広範囲で使用されているアラビア語を学ぶことは、これらの地域との交流や理解を深める上で大きな意味を持ちます。実際、アラビア語の需要はビジネスや外交、学術研究など、さまざまな分野で高まっています。そのため、アラビア語学習は国際的な活動の幅を広げることにつながるでしょう。

アラブ周辺国だと活用メリットは大きい

アラビア語の活用メリットは、中東地域だけにとどまりません。イスラム教の聖典「コーラン」の原語がアラビア語であることから、イスラム圏全体でアラビア語の重要性は高いです。同じことは、インドネシアやマレーシアなどの東南アジアのイスラム国家でも言えます。

また、アフリカ大陸の多くの国々でも、アラビア語は重要な言語の一つとして認識されています。特に北アフリカや東アフリカの国々では、アラビア語が広く使用されており、これらの地域でビジネスや外交活動を行う際に、アラビア語のスキルは大きな強みとなります。

さらに、アラビア語圏の国々は石油や天然ガスなどの天然資源が豊富で、経済的にも重要な地位を占めています。これらの国々との経済取引や投資活動においても、アラビア語の知識があることは、大きなアドバンテージとなるでしょう。

外国企業誘致に積極的で将来性がある

近年、多くのアラブ諸国が経済の多角化を進め、外国企業の誘致に積極的な姿勢を見せています。特に、UAEのドバイやサウジアラビアなどは、石油依存からの脱却を目指し、さまざまな産業の育成に力を入れています。

例えば、ドバイは中東のビジネスハブとして急速に発展し、多くの外国企業がオフィスを構えています。サウジアラビアも「ビジョン2030」と呼ばれる経済改革構想を推進し、観光業やエンターテインメント産業などの新たな分野への投資を積極的に行っています。

このような動きは、アラビア語を習得した人材にとって、大きなチャンスとなります。これらの国々で働く機会が増えるだけでなく、日本国内の企業でもアラビア語圏との取引や交渉を担当する人材の需要が高まることが予想されるからです。

アラビア語の特徴

右から左に書く

アラビア語最大の特徴は、右から左へ書くという書字方向です。本を開く方向も、英語などとは逆になります。

この書字方向には、アラビア語を学ぶ際、最初に慣れる必要があります。例えば、「アッサラーム・アライクム」(こんにちは)という挨拶は「السلام عليكم」と書き、これを右から左へ読んでいくのです。

ただし、アラビア語の中で数字を書く場合は左から右へと書きます。例えば、2024年は「٢٠٢٤」と表記されますが、これは左から右へ読みます。この「二重の方向性」も、アラビア語の独特な特徴の一つと言えるでしょう。

アラビア文字を利用する

アラビア語は独自のアラビア文字を使用します。アラビア文字は28の基本文字から成り、それぞれが子音を表しています。母音は通常、文字の上下に付される補助記号(ハラカート)で表されますが、多くの場合これらは省略されます。

例えば、「キターブ」(本)という単語は「كتاب」と書きます。これは右から順に「ك」(k)、「ت」(t)、「ا」(a)、「ب」(b)という文字で構成されています。母音の「i」と「a」は、文脈から推測して読むことになります。

文字のある位置によって形が変化する

アラビア語の文字は、単語内の位置によって形が変化するという特徴があります。多くの文字は、単語の最初、中間、最後、そして単独で使用される場合で、それぞれ異なる形になります。

例えば、「ع」(アイン)という文字は、単独では「ع」、単語の最初では「عـ」、中間では「ـعـ」、最後では「ـع」のように形が変化します。「サアーダ」(幸福)という単語は「سعادة」と書きますが、ここでは「ع」が中間の形「ـعـ」で使われています。

この特徴は、アラビア語の流れるような書体を生み出しています。その一方、初学者にとっては習得が難しい点とも言えるでしょう。

「フスハー」と「アンミーヤ」に分かれている

アラビア語には、大きく分けて「フスハー」(現代標準アラビア語)と「アンミーヤ」(口語アラビア語)の2種類があります。フスハーは公式の場面や書き言葉で使用され、アラブ世界全体で共通です。一方、アンミーヤは日常会話で使用され、地域によって大きく異なります。

フスハーの例として、「カイファ・ハールカ?」(お元気ですか?)という表現があります。これは文語的で、ニュースや公式文書などで使用されます。一方、エジプトのアンミーヤでは同じ意味を「イッザイヤク?」と言います。このように、同じ意味でも表現が大きく異なることがあるのです。

この二重言語状況は「ダイグロシア」と呼ばれ、アラビア語学習者にとっては大きなハードルとなります。公式の場面で使えるフスハーを学びながら、実際の会話で使用するアンミーヤも習得する必要があるからです。

アラビア語の習得難易度

日本人にとって習得が非常に難しい言語

アラビア語は、日本人学習者にとって習得が非常に難しい言語の一つとして知られています。その理由は複数ありますが、主に言語系統の違いが挙げられます。

日本語は日本語族に属し、文法構造や語順が独特です。一方、アラビア語はセム語族に属し、まったく異なる文法体系を持っています。例えば、アラビア語の基本的な文の構造は「動詞-主語-目的語」の順になることが多く、日本語の「主語-目的語-動詞」とは大きく異なります。この語順の違いが、日本人学習者にとって大きなハードルとなります。

また、アラビア語は動詞の活用も複雑です。性別や数、時制によって形が変化し、さらに語根から派生するさまざまな形があります。例えば、「書く」という動詞の基本形「カタバ」から、「書かせる」「書き取らせる」など、多様な意味を持つ派生形が作られます。

アラビア文字は馴染みがなく難解

アラビア語学習の大きな壁の一つが、アラビア文字の習得です。アラビア文字は、漢字やアルファベットとはまったく異なる体系を持ち、日本人学習者にとっては馴染みがありません。

アラビア文字には28の基本文字がありますが、それぞれが単語内の位置によって形を変えるため、実際に覚えなければならない文字の形は100以上にも及びます。例えば、「ب」(バー)という文字は、単語の最初では「بـ」、中間では「ـبـ」、最後では「ـب」のように形が変化します。

さらに、アラビア語の多くの単語では短母音が省略されて表記されます。これは、「ktb」という子音のみの表記から「kitaab」(本)という単語を読み取るようなものです。また、アラビア文字の筆記も難しいポイントの一つ。右から左へ書くという書字方向に加え、文字同士をつなげて書く独特の書き方があります。

世界一習得が難しい言語と言われている

アメリカ国務省の外国語学習難易度ランキングでは、アラビア語はもっとも難しい「カテゴリーⅢ」に分類されています。日本語や中国語、韓国語と同じグループに属し、英語を母語とする学習者が職業レベルの習熟度に達するまでに、約88週間(2,200時間)の集中学習が必要とされています。

この難しさの要因には、これまで述べてきた文字や文法の複雑さに加え、発音の難しさも挙げられます。アラビア語には、日本語にない喉の奥や舌の付け根を使う音があります。例えば、「ع」(アイン)や「ح」(ハー)といった音は、日本人学習者にとって習得が特に難しいものです。

さらに、アラビア語の方言の多様性も習得を難しくする要因です。エジプト方言、レバノン方言、湾岸方言など、国や地域によって方言は大きく異なり、標準アラビア語(フスハー)を学んだだけでは、現地での日常会話に対応できないことがあります。

前述のように、「お元気ですか?」という意味の表現は、標準アラビア語では「カイファ・ハールカ?」ですが、エジプト方言では「イッザイヤク?」、レバノン方言では「キーファク?」とまったく異なる言い方になります。このような方言の違いは、アラビア語学習者にとって大きな課題となります。

まとめ

アラビア語は中東地域を中心に広く話され、石油産業など国際ビジネスの場面で重要な役割を果たしています。また、アラブ諸国の経済発展と外国企業誘致の積極的な姿勢により、アラビア語の需要は今後も高まると予想されます。アラビア語の豊かな歴史と文化、そして現代の国際社会における重要性から、学習する上で非常に魅力的な言語と言えるでしょう。

大学生にとっては難易度の高い言語ではありますが、興味を持った方はぜひ第二外国語として履修してみることをおすすめします。

パーソルキャリアの新卒採用エントリーはこちら!

パーソルキャリアは“人々に「はたらく」を自分のものにする力を”というミッションのもと、「doda(デューダ)」をはじめとする国内最大規模のHRサービス等、はたらく人と組織に関わる幅広い領域のサービスを展開している会社です。

社員一人ひとりが”キャリアオーナーシップ”を持って自分のキャリアを自ら切り開き、大手ならではのリソースを駆使しながらもベンチャーのような裁量権を持って顧客の本質的な課題を解決をしています。

  • ビジネス総合、プロダクト企画、エンジニアなど希望する職種コース別に採用選考を実施中!
  • 気軽に就活対策、企業研究ができるイベントを多数開催中!

 

新卒採用サイトの説明画像