工学部の就職先について解説!就職上位のジャンルや職業、キャリアについて


大学の工学部では、情報学、電気・電子、機械、物理、建築など、多岐にわたる分野の専門知識と技術を学べます。実際、工学部を卒業した人の多くは、その高い専門性を活かして、建設業、電機メーカー、自動車産業、情報通信、エネルギーといったさまざまな業界で活躍しています。

本記事では、工学部卒業生の就職先と、そこで求められるキャリアについて解説します。

工学部について

工学部とは?

工学部は、科学と技術を駆使して社会の問題を解決する方法を、幅広い分野にわたり学ぶ学部です。その中では、自然科学の理論を元にして技術や製品を実用化する技術や方法を開発することが目的とされています。

工学部のカリキュラムでは、数学や物理学といった基礎科学の知識を活用して、新しい技術や製品を生み出すための研究や実践が行われます。社会が直面する、エネルギー資源の効率的な利用、環境保護、情報通信技術の発展、そして人々の生活の質の向上といったさまざまな課題解決に、工学部は貢献できる可能性があるのです。

工学部には、これらの分野における深い知識と技術を身につけ、未来の社会を支える技術者や研究者を目指す学生が多くいます。

工学部の主要学科

情報学科

情報学科では、コンピュータの基礎理論から応用技術に至るまで、広範囲にわたる知識を学びます。ここでは、プログラミング、ソフトウェア工学、人工知能、ネットワーク技術など、現代社会に不可欠な技術の開発と応用に焦点を当てています。この学科を卒業した学生は、IT企業やソフトウェア開発会社など、さまざまな分野で活躍が期待されます。

電気・電子学科

電気・電子学科では電気エネルギーの生成、変換、伝送、制御の技術を学びます。また、電子回路や半導体デバイスの設計についても深く掘り下げます。この学科は、電力会社、電気機器メーカー、半導体産業など、エネルギーから電子部品製造まで、多岐にわたる業界での就職に有利とされています。

機械学科

機械学科では、機械設計、材料力学、熱力学、流体力学などを学びます。そのため、機械工学は自動車、航空機、ロボットなどの設計・製造に欠かせない学問です。機械学科の卒業生は、自動車メーカーや機械メーカー、重工業などで活躍しています。

物理学科

物理学科では力学、電磁気学、量子力学、統計力学などを学びます。物理学は、自然界の法則を探求する学問です。そのため、新材料の開発、量子コンピュータの研究、宇宙工学など、先端技術の発展などに寄与することも少なくありません。実際、物理学科の卒業生は研究機関や大学、電機メーカー、材料メーカーなどで活躍しています。

建築学科

建築学科では、建築物の設計、構造解析、環境設計などに関する知識を習得します。この学科は、建築デザイン、都市計画、環境工学など、人々の生活空間をより良くするための技術開発に焦点を当てています。卒業生は、建築設計事務所、都市開発企業、公共事業などでのキャリアが期待されます。

工学部の主要就職先

建設業

建設業界は、インフラ整備から高層ビルの建設、住宅開発に至るまで、社会の基盤を築いています。工学部卒業生はその技術的背景を活かし、プロジェクトの計画、設計、施工管理などの分野で活躍することが期待されています。特に土木工学、建築学科の学生は、この分野での需要が高い傾向にあります。橋梁、トンネル、ダムなどの公共工事から、オフィスビルや商業施設、住宅の建設に至るまで、幅広いプロジェクトに関わる機会を得られるでしょう。

電機メーカー

電機メーカーは、家電製品から産業用機械、情報通信機器に至るまで、幅広い製品を手掛ける業界です。電気・電子学科、情報学科などの卒業生は、この分野で高い専門性を発揮し、製品の開発、設計、製造プロセスの改善、品質管理など、多岐にわたる職務に就くことができます。

電子部品メーカー

電子部品メーカーは、電気・電子学科や情報学科の卒業生にとって人気就職先です。この業界ではスマートフォン、コンピュータ、自動車など、さまざまな製品に不可欠な電子部品の設計、開発、製造が行われています。最先端の技術を駆使した高性能な半導体、センサー、コネクタなどの開発に携われる魅力的なキャリアと言えるでしょう。

自動車

自動車業界は、機械学科や電気・電子学科の主要な就職先となっています。自動車の設計、開発から製造に至るまで、幅広い分野で専門技術が求められる業界です。特に、電気自動車(EV)や自動運転技術の進展により、これまで以上に高度な技術が自動車産業に求められています。工学部卒業生は、新しい駆動システムの開発、車載情報システムの設計、環境に優しい素材の研究など、工学知識が必要になる場面で活躍できるでしょう。

情報通信

情報通信業界は、現代社会において中心的な役割を果たしています。この分野では、インターネットサービス、モバイル通信、データセンター運営など、情報の伝達と処理に関わる幅広い業務があります。工学部卒業生にとって、情報学科や電気・電子学科の知識が直接活かせる分野とも言えます。新たな通信技術の開発や既存技術の改善、セキュリティ対策、ネットワーク構築など、多岐にわたる業務が存在します。

情報サービス(IT)

情報サービス(IT)業界は、ソフトウェア開発、システムインテグレーション、ITコンサルティングなど、情報技術を用いたサービス提供を行う分野です。

ここでの仕事は、企業や組織の情報システムの設計・構築・運用・保守に関わるものが多い傾向にあります。そのため、情報学科はもちろん、機械学科や電気・電子学科など、幅広い知識を有する工学部卒業生が活躍できるフィールドと言えるでしょう。特にクラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、人工知能(AI)技術の発展に伴い、これらを活用した新しいビジネスモデルやサービスの開発が進んでいます。

IT業界は、技術の進化が非常に速いため、常に最新の技術トレンドを追い続ける好奇心と学習意欲が求められます。また、それをビジネスに応用するための創造力や問題解決能力も重要とされるため、多様なスキルを持つ人材が価値を発揮できる業界です。

エネルギー

エネルギー業界は、電気・電子学科や機械学科の卒業生の主要な就職先です。電力会社では、発電所の運転・保守、送配電ネットワークの運用などに携わります。一方ガス会社では、ガスの製造・供給、ガス機器の開発・製造などが主な業務となります。近年では再生可能エネルギーの導入が進んでおり、太陽光発電や風力発電などの分野でも活躍の場があるでしょう。

工学部を卒業した人のキャリア

多くが大学院に進学する

工学部を卒業した学生の多くは、さらなる専門知識を深めるため、もしくは研究者を目指すために大学院へ進学します。日本における理系就職では大学院修士や博士を条件にしている会社もあり、求められる専門性が高い点が特徴です。また、就職活動についても、文系就職に比べると応募する企業数はそこまで多くありません。研究室経由で内定がほぼ決まる、といったこともあるようです。

学科によって就職先は大きく分かれる

工学部を卒業した人々のキャリアパスは、学んだ専門分野によって大きく異なります。例えば、情報学科の卒業生は、IT企業やソフトウェア開発会社、大手テクノロジー企業に就職するケースが多いと言えます。

一方で、電気・電子学科の卒業生は、電機メーカーやエネルギー関連企業、半導体業界への進出が一般的となっています。機械学科では、自動車産業や航空宇宙産業、ロボット技術を扱う企業などが主な就職先です。

研究者を目指す学生もいる

工学部卒業生の中には、民間企業への就職ではなく、研究者として研究機関に勤務する、または教授としてのキャリアを選ぶ人もいます。研究者を目指す学生にとっては単に新しい知識や技術を学ぶだけでなく、それらを社会に役立てるための方法を探求し、実際に応用することが求められます。その過程で、国際的な学会での発表や学術誌への論文投稿などを通じて、自らの研究成果を世界に発信していくことも重要な役割と言えるでしょう。

まとめ

工学部卒業生のキャリアパスは多様です。建設業から情報技術、エネルギーまで、それぞれの業界で専門知識を活かし、社会の発展に貢献することができます。多くの選択肢が広がっていることも工学部卒業生の特徴であり、「学科によって就職先が大きく分かれる」「多くが大学院へ進学し、さらに専門性を高める学生がいる」「研究者を目指す道もある」など、進路はさまざまです。 こうした中で重要なのは、自分の興味や強みを理解し、社会に貢献できるキャリアを見つけることと言えるでしょう。本記事が工学部の学生にとって参考になれば幸いです。

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