ビジネスコンテスト参加前に覚えておくべきフレームワーク12選

ビジネスコンテスト(ビジコン)への出場を考えている人の中には、はじめての出場でどんな準備をすればいいのか、自分の知識が通じるのかなど、不安になる人も多いかもしれません。ビジネスコンテストでは戦略立案や企画提案の場面が多く、マーケティングの知識を活用したビジネスフレームワークが大変役に立ちます。今回は、そんな場面で活用しやすい、目的別に使えるビジネスフレームワークを図説とともに分かりやすく紹介します。ぜひ、ビジネスコンテスト前に覚えておきましょう。


フレームワークの目的

フレームワークを覚える前に、フレームワークを用いる目的を理解しましょう。目的を理解することで、フレームワークを使うメリットを実感できます。

思考を整理しスピードを上げる

フレームワークを使うことで、何かについて分析したり意思決定をしたりする際に、何を考えるべきで、何を整理すべきなのか明確になります。グラフや表を書くのが面倒に感じても、最終的に思考のスピードが上がることにつながり効率が上がるため、その効果を実感できるはずです。

共通認識をつくる

ビジネスコンテストなどのチームで何かについて考える機会では、1つの課題に対して複数のメンバーが関わるため、認識の違いが生まれやすい状態です。そうした場合に、フレームワークを使うことで、チームで共通の認識を持ちながらスムーズに議論をすることができるようになります。

フレームワークの使い方

続いて、フレームワークの使い方について説明します。フレームワークはどんなときにも使えるものではありません。適切に使うことで、はじめて効果を発揮するため、使い方について注意しておきましょう。

フレームワークは目的によって使い分ける

フレームワークは万能ではありません。目的と状況に応じて最適な枠組みを模索する必要があります。目的と使用するフレームワークがずれていると、かえって思考の効率を落とすことになるでしょう。

覚えるのではなく使いこなせるようになる

フレームワークには多くのパターンがあるため、最初からそれらすべてを正確に覚えることは大変です。まずは重要なものや頻繁に使うものだけを押さえておき、使う機会の少ないフレームワークを使用する際には、その都度調べて対応しましょう。業務でフレームワークを繰り返し実践し、徐々に使いこなせるフレームワークを増やしていきましょう。

目的別おすすめフレームワーク12選

今回は4つの目的別にフレームワークを紹介します。

  • 課題発見のためのフレームワーク
  • 市場分析のためのフレームワーク
  • アイデア創造のためのフレームワーク
  • 戦略立案のためのフレームワーク

課題発見のためのフレームワーク

①As is / To be:現状と理想のギャップを把握する

理想「To be」と現状「As is」に整理し、その間にあるギャップを可視化します。

  1. 理想(To be)に目標や未来の姿を書き出す
  2. 現状(As is)に今の状況を定量的な情報と定性的な情報を含めて書き出す
  3. 理想と現状にあるギャップを分析する

ロジックツリー:情報を整理し全体を把握する

大本の課題から、考え得る原因を整理し、抽象度の高い課題の具体的な原因を可視化します。

  1. 課題や問題を設定する
  2. 課題に対して考え得る主な原因を書き出す
  3. 原因を細分化して具体性を高める
  4. 出し切った情報をもとに、各要素のつながりにずれがないか確認する

市場分析のためのフレームワーク

③PEST分析:外部環境を把握する

自社の事業やサービス、組織に影響を与える可能性がある外部の環境要因を分析します。

  1. 要素ごとに影響がありそうな情報や出来事、ニュースを書き出す
  2. 各要素を整理しつつ、抜け漏れがないかを確認する
  3. 自社にとって特に重要な要素をピックアップする

④SWOT分析:強みと弱みを分析する

自社や事業の存在意義や取り巻く環境について整理し、自社の強みや弱みを把握します。

  1. 分析対象を設定する
  2. 各要素にあてはまる事象を書き出す
  3. 抜け漏れやずれがないか確認しつつ整理する

ペルソナ分析:ターゲットについて分析する

対象の商品やサービスのターゲットとなる代表的な顧客の状況や心理を理解します。

  1. ターゲットとなる顧客を思い浮かべる
  2. その顧客に関連しそうな情報を集める
  3. 集めた情報をフレームワークの要素に整理する
  4. 整理した情報をブラッシュアップする

⑥4P分析:競合について分析する

競合の扱う商品やサービスについて、どのような施策を行っているかを分析します。自社製品の分析にも使用できます。

  1. 対象となる商品やサービスの情報を集める
  2. 各要素に情報を整理する

アイデア創造のためのフレームワーク

マンダラート:アイデアを広げる

アイデアを広げ、中心となるキーワードから関連するものを網羅的に可視化できます。

  1. 中心となるキーワードを設定する
  2. 連想されるキーワードを書き出す
  3. さらに2で書き出したキーワードから連想されるキーワードを書き出す

ペイオフマトリクス:アイデアを整理する

複数のアイデアの中から「効果」と「実現性」の2軸をもとに効率的にアイデアを選択します。

  1. 事前に自由にアイデアを書き出しておく
  2. アイデアをグラフに配置していく
  3. 配置したアイデアから掘り下げるアイデアを選択する。効果と実現性が高いものを選択するのが一般的

戦略立案のためのフレームワーク

クロスSWOT:自社の強みを活かす戦略を考える

事前にSWOT分析をした上で、自社の強みと弱みを活かした戦略を考えます。

  1. 事前にSWOT分析を行い、シートに記入する
  2. 各象限の戦略を洗い出す

ポジショニングマップ:事業ポジションを考える

標的となる市場で、顧客の心にブランドをどのように位置づけたいかを考えます。

  1. 縦軸と横軸の設定をする
  2. 各競合がどこに位置をするのか考え、配置する
  3. 競合の位置を踏まえて、自社が競合優位性を発揮できる位置を探す

⑪AISASモデル:Webを活用したコミュニケーション施策を考える

AISASモデルは、インターネット環境がある状況で、消費者が商品やサービスを認知して購入するまでの購買プロセスを可視化します。購買行動に関する行動モデルで有名なものにAIDMAモデルがありますが、AISASモデルはインターネットサービスやSNSを活用したコミュニケーション施策を考える際に効果的です。

  1. 事前にペルソナを設定しておく
  2. 顧客の状況を書き出す
  3. 顧客のニーズを書き出す
  4. コミュニケーション施策の内容を書き出す

ロードマップ:目標達成までの道筋を立てる

長期的な戦略をとる上で、未来の目標へ到達するためのステップを整理するロードマップ。事前にAs is/To beをしておくと整理しやすくなります。

  1. 最終目標をいつまでに達成するかを書き出す
  2. 現状を書き出す
  3. 中間目標を設定し、いつまでに達成するかを書き出す
  4. それぞれの目標に到達するための施策や戦略を考える

まとめ

今回はビジネスコンテストで使えるビジネスフレームワークについて紹介しました。

フレームワークは内容を覚えるだけでなく、使いこなせてはじめて役立つ分析ツールです。まずは実際に使ってみて、徐々にコツをつかんでいきましょう。ぜひ、ビジネスコンテスト前に練習してみてください。

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