アイデアが見つかる本7選
①『起業1年目の教科書』
まずご紹介するのは『起業1年目の教科書』。
この書籍の特徴は「起業のためのノウハウではなく、マインドを養う」という内容です。
起業する人向けのビジネス書の多くは、株式会社の設立方法などノウハウに特化しがちです。また、堅苦しい言葉が並べられた本では、せっかくの起業意欲が落ちてしまい、良い発想も生まれにくくなるでしょう。『起業1年目の教科書』は「ぼんやりと起業してみたいと考えている人」向けに、分かりやすい言葉でていねいに解説しています。
中でも特に印象的なのは「成功している人は大きな目標に到達するための細かな階段をつくっている」という一節。
起業を目指している方の多くは「すぐにお金持ちになりたい」「早く事業を成功させたい」と思いがちです。その結果、無謀なアイデアや事業に挑戦し、失敗してしまうことも多くあります。この本は、一歩ずつ小さな成功体験を積み重ねることで、ゴールへの道筋が見えてくると教えてくれる一冊です。
②『アイデアのつくり方』
次に紹介するのは『アイデアのつくり方』。
この書籍は「アイデアが生まれる原理を脳科学から理解する」という内容です。100ページほどの書籍なので、どなたでも手に取りやすい一冊でしょう。
新規事業を考える際に「なにか良いアイデアはないか」と、やみくもに考えてはいないでしょうか。もちろん、そうしたやり方で斬新なアイデアが浮かぶ人もいるでしょう。しかし、多くの場合そうではありません。この書籍では「5つのステップで誰でも簡単にアイデアを生み出す方法」を紹介しています。
①データ収集
②集めたデータのそしゃく
③無心で考える
④「発見した!」の瞬間
⑤アイデアの検証・具体化
このように、アイデアが生まれる原理を体系的に知ることで、格段に考えをまとめやすくなります。特に、著者であるジェームス・W・ヤングは「アイデアは新しい組み合わせである」と繰り返し述べています。つまり、アイデアはゼロから生み出すものではなく、組み合わせにすぎないということです。この話を知ると、自分でもアイデアを生み出せそうだと思いますよね。
③『ビジネスモデル2.0図鑑』
次に紹介するのは『ビジネスモデル2.0図鑑』です。
2018年に出版され、さまざまな書店ランキングに入選するなど、現在も注目されている一冊です。この書籍は「100個のすごいビジネスモデルを、図鑑のように分かりやすく解説」していることが特徴。
ビジネスモデルとは「利益を生み出す商品や、サービスに関する事業戦略と収益構造」を指します。この書籍では、AmazonやGoogleなどの超一流企業から、あまり知られていない優良企業まで幅広く、どのようなビジネスモデルで利益を出しているのかを図解しています。
起業するにあたってアイデアを考えるのも重要ですが「そのアイデアは利益を生むことができるのか」というビジネスモデルを考えることも欠かせません。しかし、そうしたビジネスモデルの知識は、一朝一夕ではなかなか身につかないでしょう。著者も「どれほど優秀な人材を集めても、どれほど設備に多額の投資をしても、仕組み自体が通用しなくなったら、そこで終わりである」と述べています。
起業を目指している方は、アイデアづくりと並行して、ビジネスの仕組みも学習しましょう。
④『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』
次に紹介するのは『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』です。こちらの書籍の特徴は「この一冊で近未来を一望できること」です。
起業する上で重要な能力は、発想力に加えて「先を見通す力」であるといわれています。あらゆる業界で「この先10年の未来」を予測しておくことは、不可欠です。そこで、この書籍では、医療、長寿、金融、不動産、教育、小売り、広告、エンターテインメント、交通、環境の各分野で、テクノロジーの融合によって生じる変化をファクトベースで分析しています。
これから新規事業を立ち上げる人には、必読の一冊です。
⑤『起業アイデア3.0』
次に紹介するのは『起業アイデア3.0』です。
こちらの書籍は、1,000人の起業家を支援したベンチャーコンサルタントによる新世代の起業入門書です。特徴は「起業アイデアの型を伝授する」。
起業しようと意気込んだ多くの方が、一つの壁に直面します。それは「起業したいのに、アイデアがまとまらない」「画期的な新事業が思いつかない」といった悩みです。しかし、この書籍では「そうした悩みに直面するのは当然である。なぜなら、正しい起業アイデアの型を知らないからだ」と述べ「正しい方法論に従えば、誰でも、きちんとビジネスとして成立するアイデアを手に入れることができる」と説明しています。
実際に書籍では「プロダクトアウト発想法」「マーケットイン発想法」「コンペティターシフト発想法」の3段階に分けて、起業アイデアの発見から深掘りまでサポートしてくれます。
この書籍を最後まで読めば、現時点でアイデアが浮かんでいない人でも、社会で通用するビジネスモデルを確立するところまで到達できるかもしません。
⑥『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』
次に紹介するのは『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』です。
『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』でも説明したように、起業するにあたって10年〜20年後の世界を予測することは必要不可欠です。この過程を怠ると、せっかくの新規事業も成長性が見込めません。この書籍では、今後の世界のキーワードとなる「テクノロジー」に絞って、次世代技術を紹介しています。情報の精度が極めて高く、解説もていねいな一冊です。
紹介するテクノロジーは「エネルギー」「ヘルスケア」「IT」「ライフ&ワーク」「マテリアル&フード」「セキュリティー」「トランスポーテーション」の7分野。例えば、ヘルスケアの分野では、mRNAワクチンやAI医療、血液1滴で調べるアレルギー検査などが紹介されています。
少し専門的な言葉が多い本ですが、テクノロジー技術を用いた事業立案を目指す方には必読の一冊です。
⑦『NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来』
最後に紹介するのは『NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来』です。
今世界で急速に加速している「NFT」という単語をご存じでしょうか。NFTとは、「Non-Fungible Token=非代替性トークン」の略で、一言で言えば「唯一無二の証明ができる」技術です。
近年、インターネットの急速な発展により、コピー、改ざんが簡単にできるようになりました。その結果「本物」と「偽物」の区別が付きにくくなっています。それらを区別できるようにし、唯一無二であることを証明する技術がNFTです。NFTは世界中で、アート、国内外ゲーム、メタバース、スポーツ、ファッション、音楽、テクノロジー、法律、会計など、多方面で活用されつつあります。これからの時代は、多くの商品やサービスでNFTが用いられるようになるでしょう。つまり、この技術を知ることで、ビジネスモデルの幅が格段に広がります。
実際にこの書籍では、NFTの最前線や今後どのように成長していくかを、NFTに熟知した専門家が図版や表でていねいに解説しています。これらの知識を習得すれば、より精度の高い10年後の未来予想図を描くことができるはずです。未来を予測したアイデアも浮かびやすくなるでしょう。
起業したいけどアイデアがない時にやるべきこと
アイデアをいくつも出す習慣をつける
あなたがやりたいことは何かを考えてみましょう。最初からアイデアは一つに絞る必要はありません。とにかく思いつく限りのアイデアを出し続け、ビジネスチャンスにつながるようなアイデアの種を見つけることが重要になります。
起業のきっかけになるアイデアはそう簡単に思いつくようなものではないため、とにかくアイデアを出してメモに残す作業をしましょう。その中からアイデア同士を組み合わせたりして、新たなアイデアが起業のきっかけになることもあります。
既存のものからマネや応用をする
時には既存のサービスから応用ができないかを検討することも大事です。世にあるサービスのほとんどは完璧はなく、何かしらの欠点やデメリットを持っています。そういった欠点を補った上でビジネスにつながる方法がないかを検討することも非常に重要です。
また、自身の思いついたアイデアに、既存サービスの要素を付け加えるだけでも新たな価値の創出になることもあります。起業アイデアを考えているのであれば、類似サービスを提供している会社やそのサービスを分析することをしてみると良いです。
他のアイデアを組み合わせてみる
先述しましたが、アイデア同士を掛け合わせることでさらなる価値を生み出すことができる場合もあります。そのため、アイデアは必ず書き溜めておき、新しくアイデアを思いついたタイミングで、過去のものとシナジーがありそうなものをグルーピングしておくのがおすすめです。
お金を払いたいアイデアかを検討する
良いアイデアを思いついた場合には、そのアイデア・サービスに対してお金を払ってでも利用したいかどうかを考えましょう。起業はあくまでもビジネスであるため、サービスを利用してもらい利益を生む必要があります。そうしなければサービスの存続も難しいため、お金を出してまでサービスを受けたいかの観点は非常に重要です。
自分ではお金を払っても欲しいものであっても、他人にとってはそうでないケースも少なくないため、友人や家族などにも意見を求めるのも良いかもしれません。
アイデアを出すためのフレームワーク
ブレスト
ブレストとはブレインストーミングの略で、集団発想法と言われる手法です。方法としては以下の流れでアイデアを出し合っていきます。ブレストで特に重要なのは、他の人が挙げるアイデアに対して、否定的な意見やジャッジを行わないことです。
- アイデアの否定はしない
- とにかく量を出す
- アイデアをまとめる
- アイデア同士の組み合わせを検討
アイデアを複数挙げたら、最後にはアイデアを整理してグルーピングし、アイデア同士で組み合わせることができないかも検討しましょう。そうすることで、より具体的な発想につなげられるかもしれません。
6W2H
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが)
- Whom(だれに)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How much(いくらで)
以上の英単語の頭文字をとったものが6W2Hのフレームワークです。どのような時にそのアイデアを利用したいと思うユーザーが現れ、いくらまでお金を出してくれるかといった点を分析するために使用するものです。良いアイデアが実際にビジネスとして活かせるかを検討する際に、一つずつ当てはめて考えてみましょう。
シナリオグラフ
シナリオグラフとは「だれが」「いつ」「どこで」「何を」といった4Wを軸に、ランダムに当てはめていき、連想できる行動パターンからアイデアを生み出す手法です。このフレームワークを行う場合は、まずなんのアイデアを出すのかというテーマが必要です。テーマを決めた上で、4Wに沿って枠を埋めていきましょう。
枠を埋めることができたら、次に上から順にランダムに繋げてシナリオを作成します。そうして出来上がったシナリオのユーザーがいると仮定し、そのユーザーに刺さるサービスは何かを考えるというものです。
以下の表を例にすると、Aさんが昼休みにアルバイト先で英単語の練習をしているとした場合に、その人にとって価値のあるサービスは何かを考えるということです。
誰が | Aさん | Bさん | Cさん |
いつ | 放課後 | 昼休み | 通学中 |
どこで | アルバイト先 | 電車の中 | 大学の教室 |
何を | 面接練習 | アルバイト | 英単語の勉強 |
なぜなぜ分析
解決するべき問題に対し、なぜ問題なのか、どこが問題なのかといった問題の本質部分を見極めるために活用しやすいフレームワークです。最初に抱えている問題を定義したら、「なぜ」を問いていきます。
「なぜ」→「◯◯が問題だから」→「なぜ」→「××が要因だから」…というように、定義した問題が抱える要因をひとつ一つ明確にしていくことで、解決するべきポイントを見つけやすいのがメリットです。そうして発見した課題を解決する方法が新たなビジネスチャンスにつながることもあります。
シックスハット
客観・直感・肯定・否定・革新・俯瞰とそれぞれ役割という名の帽子を被り、一つのテーマにたいして議論していく手法がシックスハットです。普段の視点ではなく、強制的に役割を決めて発想をしていく手法であるため、新たな発見につながりやすいのがメリットです。
役割が6つあるからといって6人いる必要はなく、それぞれの視点に立って考えることができれば良いのでひとりでも十分行うことが可能です。
まとめ
今回は「起業したいけど案がない!」という方向けに、アイデアが見つかる本を紹介しました。
アイデアを生み出すためには正しい型を知る必要があります。加えて、新規事業を立案するためには、10年~20年後の未来を見通す力が不可欠です。今回紹介した本を熟読すれば「正しい型」や「見通す力」が身につきます。
起業を目指している方は、これらの書籍をぜひ活用してください。
パーソルキャリアの新卒採用エントリーはこちら!
パーソルキャリアは“人々に「はたらく」を自分のものにする力を”というミッションのもと、「doda(デューダ)」をはじめとする国内最大規模のHRサービス等、はたらく人と組織に関わる幅広い領域のサービスを展開している会社です。
社員一人ひとりが”キャリアオーナーシップ”を持って自分のキャリアを自ら切り開き、大手ならではのリソースを駆使しながらもベンチャーのような裁量権を持って顧客の本質的な課題を解決をしています。
- ビジネス総合、プロダクト企画、エンジニアなど希望する職種コース別に採用選考を実施中!
- 気軽に就活対策、企業研究ができるイベントを多数開催中!