ES(エントリーシート)や面接といった就職活動の際、よく聞かれる質問の一つに「リーダーシップを発揮した経験はありますか?」というものがあります。
こちらの質問は大企業や中小企業を問わず尋ねられ、どのように答えるかであなたの印象は大きく変わります。エピソードの大小はあっても、何かしらリーダーシップを発揮した経験がある方は多いのではないでしょうか。
一方で、「先頭に立ってチームを引っ張ったような経験がないので答えられない」という声があるのも事実です。キャプテンや部長といった役職の経験がなくても、このような質問に対して答えるべきポイントさえ押さえていれば、充分強力なアピールになり得ます。
今回は、「リーダーシップをアピールする方法」というテーマのもと、実際の例文を交えながら解説します。この記事を最後まで読めば、ESや面接時にリーダーシップに関する質問をされても上手にアピールできるようになるでしょう。
リーダーシップは就活で必須?
「チーム内で裏方として大勢を支えるポジションだった」「誰もが避ける仕事に率先して対応していた」など、リーダーシップ以外であなた自身をアピールする方法は多々あります。
こうした中で、リーダーシップに関するエピソードは就活で必須なのでしょうか。
エピソードがあれば強力な武器になる
結論、リーダーシップに関するエピソードがあれば強力な武器になります。
そもそも、面接官はなぜこのような質問をするのでしょうか。面接官がこのような質問をする意図には、以下の点が挙げられます。
- あなたの人柄を探るため
- 入社後に活躍できる人材かを確認するため
たった数百文字のESや20分程度の面接で、就活生の人柄を正確に理解することは困難です。
そこで面接官は、あなたからより具体的な経験やエピソードを話してもらうことで、性格や入社後活躍できるかを予測したいと考えています。中でも、リーダーシップを発揮した場面は、特に人柄が出ると言われています。
上記の理由から、エピソードがあれば強力な武器になるのです。
仕事上の経験ではなくても問題ない
「リーダーシップのエピソードがあれば強力な武器になる」と前述しましたが、必ずしも仕事上の経験である必要はありません。
もちろん、アルバイトやインターンを通じてリーダーシップを発揮した経験があれば、面接官もあなたの入社後をイメージしやすくなるため理想的です。しかし、全員がそうした経験があるわけでもありません。
「そんな経験がないので何も答えられない」と考えるのではなく、些細なことでも良いので「人前で率先して頑張ったことはないか?」と考えてみましょう。
必ずしもトップ(一番上)である必要はない
リーダーシップを発揮した経験を話す場合、そのエピソードが一番上の役職である必要はありません。
リーダーシップは、トップの役職の人だけが発揮するものではありません。リーダーシップにもさまざまなパターンがあるため、優劣をつけることはできないのです。
それよりも大切なのは、当時の立場や状況であなた自身が何を考え、どのような思いから行動に移したのかを上手に言語化することです。必ずしも、強烈な推進だけが評価されるわけではないことを理解しておきましょう。
また、リーダーというポジションそのものが大事なのではありません。その役割を担って「どのような価値発揮をしたのか」「どのように課題解決をしたのか」などの具体的な行動やプロセスをアピールすることが大切です。
リーダーシップのエピソード7選
ここからは、実際にリーダーシップのエピソード7選を紹介します。以下の文章は、そのまま真似するのではなく、アピールの仕方や文章構成などを参考にして、ご自身のESや面接で役立ててください。
1.サークルの代表・幹部を務めた経験
問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応し、周りを巻き込んで行動できるリーダーシップは私の強みです。
学生時代、大学祭実行委員長やゼミ長、サークル長など、リーダーとしての経験を積むことでリーダーシップを養うことができました。
中でもサークル長を務めていたテニスサークルでは、練習場所が取れないことや連携がとれていないために、些細なことで部員同士が衝突していました。そこで私は大学側に掛け合い、週2回の練習場所を確保し、時間を決めて活動するように変更しました。
また、週末には翌週の活動スケジュールをメールで配信し、メンバーの参加状況も見える化することで連絡漏れなどがないよう連携強化を図りました。そうすることで徐々にサークル内のエンゲージメントが高まり、部員の活動への参加率が向上、仲間集めにも意欲的になり、結果としてサークル加入数が前年の3倍になりました。
【ポイント】
テニスサークルのサークル長として、生じていた課題を解決に導いたエピソードです。こちらのエピソードでは、課題解決のために行った方法を具体的に記述することで、再現性や具体性をアピールしています。
聞こえの良いことを書き連ねても、面接官には「結局のところ入社後それができるの?」と懐疑的に思われてしまいます。そのため、再現性と具体性は大切な要素です。
2.部活動の部長・副部長を務めた経験
私には、「リーダーとしての統率力や人を観察する力」を得た経験があります。
それは、大学野球部での部長として、夏合宿に参加したときです。
私が所属する野球部では、毎年夏に全員で合宿を行います。合宿の幹事は希望制ですが「部員同士の交流が深まるお手伝いをしたい」と考え、部長の私が立候補しました。しかし当時、ある喧嘩をきっかけに学年間の仲違いが生じました。そして部員からは「この状況では合宿はできない」と言われました。しかし私は「喧嘩を起こした部員のためにも、この合宿で仲良くなってもらいたい」と考え、合宿の実施を決めました。
例年合宿中は練習だけで一日を終えるところを、学年対抗の運動会をしたり、夜は肝試しを行ったりしました。初めは部員も戸惑いましたが、持ち前のリーダーシップを発揮して各学年の人間関係を調整し、さらにコミュニケーションが生まれるイベントを行ったことで、少しずつ仲違いが解消されました。そして最終的には「最高の夏合宿になった」と言ってもらえました。
【ポイント】
部長として、仲違いの解消を目指して奔走したエピソードです。ただ部長としての任務をそつなくこなすだけでなく、「どうすれば部員が仲良くなってくれるか」を第一に考えてさまざまな策を講じています。
こうしたスキルは社会人でも活かせるため、大きなアピールになります。
3.文化祭の実行委員を務めた経験
一人で抱え込むのではなく、自身が率先してリーダーシップをとり、作業を分担して効率良く進めることで予想以上の結果が出ることを学んだ経験があります。
それは、大学3年生のときに学園祭実行委員として経験したエピソードです。
私は広報担当のリーダーとして、20人をまとめていました。その当時、2015年までは来場者数も右肩上がりでしたが、以降は年々減少しているという課題がありました。私は「これは自分のせいだ」と考え、毎日一人で解決策を探っていました。そんなある日、後輩の一人から「1人じゃなくて20人で考えたほうが良いアイデアが生まれます」と言われました。そこで私は目が覚め、チームとして成果を上げることを目指しました。
具体的には、街中で認知度のヒアリング、作成したCMを流す媒体の営業、来場者へのアンケートなどを実施しました。アイデア担当、営業担当など得意な仕事ごとにグループを分けることで、効率化にも成功しました。
リーダーシップを発揮することで、チームで成果を上げることができました。
【ポイント】
20人のグループをまとめたエピソードです。
すでに説明したように、リーダーシップを発揮するのに一番上の役職である必要はありません。小規模でも試行錯誤して、良い結果を得られたエピソードは、必ず強みになります。
4.インターンシップでチームをリーダーとして率いた経験
私がリーダーシップを発揮した経験は、「インターンシップ先で異文化交流コミュニティを設立したとき」です。
私は大学4年生のときにイギリスへインターンシップで訪れました。インターン先ではさまざまな国から来た20人程のチームに属しました。しかし、自分のチームはまだ英語を十分に話せない人が多く、交流が活性化しませんでした。私は「せっかくインターンに来たのに、英語が拙いという理由だけで交流しないのはもったいない」と考えました。
文化が違っても信頼されるには自己開示が不可欠だと考え、終業後必ず一人ひとりと会話し、自分のことなどを話しました。これを継続していくうちに、少しずつ信頼されるようになり、全員とSNSのIDを交換することに成功しました。
その後、私は気軽に交流できるWebサイトを作成しました。初めはチームメイトすら乗り気ではありませんでしたが、少しずつ認知度を広げ最終的には他チームも含めた60人程のコミュニティになりました。
以上がリーダーシップを発揮したインターン先での経験です。
【ポイント】
海外のインターン先で、コミュニティの立ち上げに尽力したエピソードです。
大切なことは、「どういった流れで信頼されるようになったのか」です。記憶をたどりながら、より詳細に話せるようにしましょう。
5.アルバイトでバイトリーダーとして責任者のサポートをした経験
コスメ販売のアルバイトで、チームメイトをマネジメントする楽しさや、リーダーシップを発揮するために必要なことを学びました。このアルバイトでは3人チームに分けられ、各チームに化粧品の販売目標が割り当てられます。私は昔から一人で何でも挑戦し、チームプレーなど考えない性格でした。結果として、個人の数字は伸びても、チームとしての販売数はなかなか伸びませんでした。
ある日、私は店長に「チームとして目標を達成するためには何が必要か考えるべきだ」と言われました。私は、個人の数字よりもチームメイトが数字を伸ばせるように取り組みはじめます。
具体的には、販売数が伸びないチームメイトのためにセールストークの原稿を作成し、どんなお客様相手でも安定して販売できるようにしました。また、週に1回は必ずディスカッションの場を設け、セールストークの質向上にチームメイト全員で取り組みました。以上の私がリーダーシップを発揮した経験を、日々新しい技術や製品に挑戦する貴社でも活かします。
【ポイント】
アルバイトでチームメイトの販売数を向上させたエピソードです。
自分だけが数字を伸ばせば良いと考えるのではなく、「どうすればチーム全体で売上を伸ばせるか」と考えることは、リーダーシップを発揮するうえで大切な要素です。
6.ゼミで幹事長を務めた経験
私が最もリーダーシップを発揮したのは、大学4年生で取り組んだゼミ長としての経験です。
私は大学内で最も厳しいと言われるゼミに入り、ゼミ長に立候補しました。昔から統率力には自信があり、より良いゼミにできると考えたためです。しかし噂通りの厳しい教授で、だんだんと授業に出なくなるゼミ生も出てきました。
私は「せっかくのゼミ活動だから、もっと全員で取り組みたい」と考え、さまざまな施策に取り組みました。具体的には、
・ゼミ生一人ひとりと話して、どこを改善してほしいか聞き出す
・教授にゼミ生の思いを伝え、互いに歩み寄れるよう折衷案を提示する
などです。
また、「私はこうしたい」という意思を積極的に全面に出すことで、賛同者を増やしていきました。こうした取り組みの結果、定期的に食事会やゼミ合宿が行えるほど仲が深まりした。
このゼミ長としての経験を貴社でも活かします。
【ポイント】
ゼミ長ならではの苦悩や取り組みをアピールすることで、入社後もリーダーシップを発揮できるというPR材料にしましょう。
7.学生起業をして社長として事業を推進した経験
私は「主体的に行動し、チームを引っ張っていける人間」です。この性格は大学生で起業した際に最も表れました。
私は大学2年生のときに、Webライティング事業を行う会社を立ち上げました。創業時のメンバーは私を含めて8人で、私は社長としてさまざまな業務に励みました。
最初の半年は順調に売上を伸ばしていたものの、以降は停滞気味でした。私は、「もっとメンバー間で交流を深め、意見を自由に出し合える雰囲気になれば良いアイデアが生まれるのでは」と考えます。
そこで、毎日10分グループワークの時間を設け、感じていることや自分自身の悩みなどなんでも話せる時間を作りました。また、私自身が率先して誰よりも意見やアイデアを出すことで、「このチームでは自由に意見を言っても良い」という雰囲気作りに励みました。加えて、社内でスポーツ大会やイベントを開催することで、チームワークや会社への帰属意識の向上にも努めました。
こうした取り組みの結果、新しいアイデアが次々と生まれ、売上も再び増加に転じました。以上の経験を通じて、リーダーとして必要なスキルや考え方を身に付けました。
【ポイント】
学生時代に起業した際のエピソードです。
「どうすればより良いチームの雰囲気を作れるか」という視点から、さまざまな取り組みに挑戦しています。
まとめ
今回は「リーダーシップをアピールする方法」というテーマのもと、実際のエピソード例を交えながら紹介しました。
リーダーシップに関する質問を出される機会は年々増えており、うまく答えられるかであなたの印象が大きく変わります。しっかりと回答できれば、採用へ大きく近づくでしょう。
是非今回の記事を参考にしていただき、事前の対策にお役立てください。
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