就職活動やインターンシップの選考中は、メールを送る機会も多くあります。例えば、面接の日程調整、説明会の案内メールへの返信、内定連絡への返信などがあるでしょう。こういったケースで間違った送り方をしたり、失礼があったりすると、マイナス評価となる恐れもあります。社会人になるにあたっては、正しい送り方やマナーを身につけておかなければなりません。
本記事では、就活やインターンの選考でメールを送る際の注意点について、例文を挙げながら解説しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
メールのマナーは存在する?
そもそも、メールを送る際に守るべきルールやマナーはあるのでしょうか?もちろん「法律で規制されている」といったことはありませんが、一般的な常識は存在するため、しっかり押さえておきたいものです。また、前提として相手の立場にあり、相手のことを考えた上で送るように心掛けましょう。
メールには一定のテンプレートが存在する
メールには、ある程度決まった「定型のテンプレート(形式・様式)」が存在します。これは、相手への配慮を形にした「決まり」のようなものです。このテンプレートを完全に無視して自由に送れば「目立つ」かもしれませんが、逆効果となるリスクもあります。
詳しくは後ほど説明しますが、まずはテンプレートに沿ってメールを送信することを心掛けましょう。
メールの送り方で選考結果が決まることはほぼない
メールはマナーを守って送ることが大切です。内容次第では採用担当者に良い印象を与えることもあれば、反対にマイナスの印象を与えてしまうかもしれません。
とはいえ、メールのマナーが適切ではないからといって、選考に大きな悪影響となることはほとんどないと言えます。そのため、仮にマナーに沿わない形で送ってしまったとしてもそこまで深刻に考える必要はなく、次から気をつければ良いでしょう。
昔ほどマナーは重視されなくなってきている
パソコンやスマートフォンを使用した、リアルタイムでコミュニケーションを取るチャットツールの発展により、ビジネスのやり取りはメールだけではなくなってきました。LINEなどに代表されるチャットツールではメールのように形式的ではなく、またメールよりも簡単に多人数とコミュニケーションを取ることができます。
そのような中、全体としては昔ほどメールでのマナーは重視されなくなってきています。企業担当者がチャットツールでフランクに接してくる場合は、節度を保ちつつもある程度はそのテンションや雰囲気に合わせるような対応が必要でしょう。
ただし重視している企業も存在はする
全体としてマナーが昔ほどは重視されない傾向にあるとはいえ、中にはメールのマナーを重視する企業も存在します。例えば、伝統的な企業や年配の方が顧客に多い企業の場合はマナーを意識しておいたほうが無難です。
相手の企業がどの程度重視するかわからない場合は、少なくとも様子が分かるまではきちんとマナー通りに対応すべきでしょう。
メールを送る際のテンプレート
就活メールには、一般的なテンプレートがあります。テンプレートに沿ったメールを送信することで、相手にしっかりしている印象を与えることができます。
また、このテンプレートは就職後も活用できるので、覚えておいて損はありません。
1.件名
社会人になると1日何十通、時には何百通ものメールが届く場合もあります。大量のメールが届く中、件名がないと見落とされたり、迷惑メールと勘違いされたりする可能性もあります。件名は必ず入れるようにしましょう。
件名を完結に記載
ただし、件名はだらだらと記載するのではなく、簡潔に記載する必要があります。誰からのどのような要件なのかが、件名を見れば一発で分かるような内容にしましょう。
例文
「【面接日程変更のお願い】○○大学の◇◇です」
「【面接日程希望日連絡】○○大学◇◇」
2.あいさつ
本文で具体的な要件に触れる前に、簡単なあいさつを記載するようにしましょう。あいさつは宛先に加え、自分の名前、そして連絡をするようになった経緯などを丁寧に記載します。
なお、メールでは手紙で書くような「拝啓」「敬具」という表現は使用しません。代わりに「いつもお世話になっております」「突然のメール失礼いたします」のような表現を用います。それでは具体的に見ていきましょう。
宛先を記載する
冒頭の宛名には、メールの送り先である相手の企業名・部署名・氏名などを記載します。送り先が企業そのものや部署である場合は「御中」、個人の場合は「様」をつけましょう。
なお、役職に「様」をつけるのはNGです。「様」は敬称ですが、役職にはすでに敬称が含まれているので、役職に「様」をつけると二重敬語となってしまいます。例えば、「田中課長様」ではなく、「田中課長」が正しい記載となります。
自分の名前を記載する
件名に記載している場合でも、メール本文には必ず自分の名前を記載します。その際、名前だけでなく、大学名や学部といった基本的な情報も記載するようにしましょう。
例文
株式会社○○ △△部 ○○様
いつもお世話になっております。
○○大学△△学部◇◇学科○年の○○ ○○でございます。
3.本文
宛名、自分の名前を記載した後に本文を書き始めます。
要件を記載する
本文では、伝えたい内容を簡潔に記載しましょう。その際には下記を意識します。
- 一文が長すぎると何が言いたいのかわからないので、適切な長さで切る
- 読みやすいように適度に改行する
- 趣旨を簡潔に記載する
- 期限がある場合は明記する
例文
この度は面接のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご提示いただいた下記日程にて、
面接をお願いさせていただきたくご連絡いたしました。
日時:○月×日(○)△時~
場所:◇◇ビル○階
4.日時指定(スケジュール調整の場合)
就活で送るメールは、スケジュール調整の場合が多いです。日時指定のやりとりがうまくいかないと相手にストレスを与えたり、自身の就活の計画を狂わせてしまったりするリスクがあります。ポイントを押さえ、スムーズに調整しましょう。
リスト形式で第3候補まで記載
こちらから面接の日時を提示するように依頼されたり、いったん企業から提示されたものの都合が悪かったりした場合は、メールを通して日程調整するケースがあります。その際には、具体的な日付と時間を示しましょう。なお、あまりにピンポイントだと企業側の都合が悪いかもしれないので、ある程度時間に幅を持たせ、また第三候補くらいまでリストで提示することが望ましいです。
例文
○月×日(○)に予定させていただいておりました面接ですが、
期末試験のスケジュール変更に伴い、当日の受験が困難になってしまいました。
誠に申し訳ございませんが、以下の日程にて、
面接日を再調整させていただけますと幸いです。
①○月△日(○)終日
②○月○日(○)9:00~17:00
③○月□日(○)12:00~17:00
5.結び
本文で要件を伝えたら、結びの言葉で締めます。結びの表現がなく、要件のみで終了してしまうと、素っ気ない印象となります。また、ビジネスメールでも基本的には結びの一言は鉄則ですので、相手が学生とはいえ、ないと違和感を覚える担当者も多いでしょう。
結びの文章で締める
結びはある程度形式的な内容で締めます。メールの内容に沿って、クッション言葉などを活用しつつ、丁寧な言葉遣いに努めましょう。
例文
①面接の日程確認に対する承諾メールの場合
お忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。
当日は何卒よろしくお願いいたします。
②面接日の変更を依頼するメールの場合
ご多忙の中、お手数をおかけして大変申し訳ございませんが、
ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
6.署名
結びで締めた後は、メール本文だけを見ても誰からのメールかはっきりと分かるように、署名を付け加えることをおすすめします。署名は結びの下、数行明けた状態で、氏名、大学、学部、学科、年次、連絡先(住所・メールアドレス・電話番号)を入れるようにしましょう。
署名設定をしておく
何社にもメールを送る場合、毎回署名を記載するのは面倒です。その場合は、メールソフトの設定で署名を自動で入れる設定をしておきましょう。そうすれば煩わしさから解放されますし、署名の記載漏れも防ぐことができます。
例文
—————————————————-
東京 太郎
○○大学△△学部◇◇学科○年
E-mail:××××@××.××
住所:〒×××‐××××
東京都中央区○○丁目××番××号
マンション○○ ×××号室
電話番号:090‐××××‐××××
就活でメールを送る際の注意点
就活で、メールの内容が選考結果に直接影響を与えることは少ないと言えます。とはいえ、マナーや送り方を間違うと失礼にあたり、マイナスな印象を与えてしまうかもしれません。「メールだから適当でいいや」とは思わず、これから解説する注意点を十分確認した上で、適切なメールを送りましょう。
送信前に内容を確認し直す
メールは件名から宛名、本文、結び、署名に至るまで、すべて送信前に内容を確認し直しましょう。誤字・脱字のチェックはもちろんのこと、適切な表現か、内容が分かりやすいか、誤解を与える表現がないかなど、細かく確認する必要があります。
特に、相手の社名や名前を間違って記載すると、かなり印象が悪くなります。誰でも自分や自分の所属する会社の名前を間違われるといい気分はしないもの。また、例えば面接日調整のメールで誤った候補日を送ってしまうと、訂正に手間がかかったり、最悪の場合は誤解されたまま面接日の調整が進んだりしてしまう可能性もあります。
また、企業が聞きたいことに対してきちんと答えているかも再度確認しましょう。面接でもありがちなこととして、「質問に答えられていない」という場合があります。必ず相手の意図に沿った返信を心掛けましょう。
できるだけ早めに返信する
メールは受け取ってから、24時間以内に返信するのが理想です。もちろん、できるだけ早く返信できるのであれば、すぐにしましょう。企業とのメールでは面接日程の調整などが多いですが、早く返信しておくことは企業にも自分にもメリットがあります。
企業の担当者は、さまざまな学生と日程調整をしています。一人がなかなか決まらないと、他の学生や全体日程にも影響を与えてしまうかもしれません。企業の担当者は日々、多忙な中で学生とやり取りをしているということを意識しておきましょう。
学生としても、特に面接日の日程調整などでは早めに返信するメリットがあります。それは、自身が希望する面接日程に面接をしてもらえる可能性が高くなることです。早く丁寧な返信が、担当者に好印象を与えるのは言うまでもありません。
適切な位置で改行しておくと読みやすくなる
適切な位置での改行はメールを読みやすくし、他の学生との比較で好印象を与えるきっかけになることもあります。逆に長い文章が改行なくつらつらと書いてあると、読みづらくなってしまいます。
改行は句点(。)や読点(、)、文章の切れるタイミングでするようにしましょう。なお、文章がかなり長くなる場合、本来の切れ目ではない個所で改行を入れても問題ありません。
また、改行をする場合は1行分の空白行を設けるようにします。ただし、何行も空けると逆に見づらくなることもあるので注意が必要です。
送信する時間帯は気にしなくてOK
電話と異なり、いつでも送受信できるのがメールです。そのため、基本的に送信する時間を気にする必要はありません。なるべく早い返信を心掛けましょう。
とはいえ、常識的な時間帯に送信できるのが理想ではあります。その場合は一言添えた上でメールを送信するようにしましょう。深夜に送信する場合は「夜分遅くに申し訳ございません」、土日に送信する場合は「お休みのところ失礼いたします」といった形です。
このような一言を加えることで、企業担当者に「本当はこの時間に送ることは良くないと分かっているんだ」と認識してもらうことで、非常識な印象を与えずに済みます。
まとめ
就活ではメールを送る機会が多くあります。メールの送り方が選考結果に直結することは少ないとはいえ、やはり好印象をもたれたほうが良いことは明らかです。
本記事で説明してきたテンプレートを参考に、メールを送るタイミングや内容、そして相手の立場をしっかりと考えた上で、適切なメールを送るようにしましょう。
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