事前準備のポイント
服装や身だしなみ
①服装
面接では、服装や身に着けるもので必要以上に個性を出す必要はありません。清潔感が伝わることが最も重要だといえます。シワや汚れが付いていないか、注意して確認しましょう。塾講師など、スーツを着用する仕事であれば、職場の雰囲気に合わせた服装で面接を受けるほうがよいでしょう。スーツの色は黒、紺、グレーなどで、無地または華美でない柄が無難です。靴は男性ならビジネス用の革靴、女性ならヒールがあまり高くないものにし、汚れが目立たないように、できるだけ磨いておきましょう。
②髪形
髪形も清潔感を意識してセットするようにしましょう。特に、前髪が目にかかるようであれば、美容院でカットしてもらうことをおすすめします。女性の場合は、髪が肩より長い場合は束ねるようにしましょう。また職種によりますが、髪の色が明るすぎると面接担当者に軽薄な印象を抱かれてしまう可能性もあるため、黒または落ち着いた暗めの色にするほうが無難です。
③メイク
接客業などでは、自然な印象のナチュラルメイクが基本となります。過度に濃いリップやチーク、アイラインなどにならないようにしましょう。面接時の状態で、そのまま仕事ができるようなメイクが好ましいといえます。そのため、事前にアルバイト先のスタッフがどのような髪形やメイクをしているか確認しておくと迷う心配がありません。
持ち物
①履歴書
多くの場合、履歴書は持参するように指示されます。かばんの中で折れ曲がらないようにクリアファイルに入れて持ち歩くとよいでしょう。面接は履歴書をもとに進行することが多いため、履歴書の内容と面接時の受け答えに不一致がないように確認しておきましょう。また、履歴書の提出を求められない場合には、面接当日にアルバイト先で履歴書の代わりとなる書類に記入することがあります。学歴や職歴、志望動機などをメモにまとめておくと、スムーズに記入ができるでしょう。
②筆記用具
面接中に書類の記入や簡単な筆記試験が行われることがあります。また実際の業務内容が伝えられ、メモをする機会もあるでしょう。申し出れば筆記用具を借りることができるかもしれませんが、準備不足という印象を与えかねません。忘れずに自分のものを持参するようにしましょう。
③メモ帳
筆記用具と合わせて、メモ帳も持参するようにしましょう。スマホでも代用できますが、面接中に取り出すことに良い印象を持たれない場合があります。また、スマホはアプリ起動までに時間がかかり、とっさにメモが取れないなど、相手の貴重な時間を奪うことも。メモ帳への記入ならそのような心配はなく、大事な話を聞き逃してしまうこともないでしょう。
④印鑑
面接当日に採用可否が伝えられ、そのまま契約の流れになることがありますが、その際に印鑑があると手続きを円滑に進められます。印鑑のほかにも、学生証や運転免許証、マイナンバーカードなどの身分証、給与を振り込む銀行口座のキャッシュカードや通帳も持参すると、手戻りなく契約ができるでしょう。
⑤スマホ
公共交通機関の遅延や、不慮のトラブルで面接開始時刻に遅れそうになることもあり得ます。その際には面接予定先に連絡をする必要があり、スマホは必携です。さらに、面接場所までの地図や勤務日のスケジュールなどを確認する際にもスマホは役立ちます。家を出る際は忘れずに持ち出しましょう。
控えておきたい情報
①面接場所と行き方
アルバイト先と面接場所が異なることはよくあるため、面接場所が初めて訪問する場所という場合もあります。指定された面接場所と電車などの乗り継ぎを含めた行き方や地図などは、プリントアウトなどをして控えておくようにしましょう。当日に充電切れなどでスマホが使用できない場合も、慌てずに対応できます。
②面接時間
電話などの口頭でしか面接時間が伝えられないことがあるため、確実に時間を控えておくようにしましょう。特に8時(AM08:00)と20時(PM08:00)など迷うような時間の場合は、午前と午後も合わせて確認するようにしてください。
また、面接担当者は面接だけでなく、ほかにも業務を抱えている場合がほとんどです。遅刻はもってのほかですが、30分以上早く到着するなど、予定よりも早すぎる行動も控えましょう。遅刻しないよう万全を期したつもりでも、面接を行う企業側の予定が崩れることになり迷惑をかけてしまうかもしれません。5分前行動を基本に、現地に到着・受け付けできていれば問題ありません。
③面接担当者の名前
当日に面接を担当する人の名前も確認しておきましょう。事前の連絡や当日の受け付けの際に、面接担当者の名前を伝えるとスムーズに取り次いでもらえるでしょう。
④受け付け方法
面接場所に着いた後、どのようにすればよいのか迷うことがあります。特に大きなビルなどでは、到着後さらに移動することも考えられます。案内してもらうのか、自分で手続きをしなければならないのかなどを含めて、受け付け手続きや方法を控えておくようにしましょう。
面接時のポイント
入室から着席までのマナー
①ノックを軽く3回して入室
面接待機中に入室をうながされたら、ドアを軽く3回ノックして「失礼します」と声をかけて室内に入ります。日本のビジネスマナーでは、基本的にノックは3回とされています。入室後は、ドアをゆっくりと閉めるよう注意しましょう。
②入室したらあいさつと一礼をして静かにドアを閉める
入室したら、「はじめまして、アルバイトの面接で参りました○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」などと面接担当者の目を見てていねいにあいさつと一礼をしましょう。一礼の際は、30度程度の角度を意識してしっかりお辞儀するようにすると、プラスの印象を持たれるでしょう。その後、静かにドアを閉めます。ドアは後ろ手に閉めるようなことはせず、ドアに向き直ってから閉めるようにしてください。
③着席前に再度あいさつし一礼
入室したら、椅子まで進み左側に両足をそろえて姿勢よく立ちます。再度、面接担当者へあいさつして一礼をします。面接担当者よりも先に室内で待機している場合には、担当者が来た際に立ち上がってあいさつするようにしてください。
④「お座りください」と言われてから着席する
椅子には「お座りください」と言われてから着席するようにしましょう。緊張していて早く座りそうになることもありますが、失礼にならないように余裕を持って振る舞いましょう。
面接中のマナー
①姿勢を正してはっきりと話す
面接中は、リラックスして肩の力を抜き、背筋を伸ばして姿勢よく席に座ります。背もたれに体を預けたり、手や足を組んだりしないように注意してください。男性は足を肩幅ぐらいに開き、膝とつま先は正面に向けるようにしましょう。そして手は軽く握って太ももの上に置くようにします。女性は足を閉じて膝とかかとをそろえるようにしましょう。手は太ももの上で重ねて置きます。
質問の受け答え時には、はっきりていねいに話すことがポイントです。足元を向いたり、口を開かず小さい声でぼそぼそ話したりしてしまうと、マイナスの印象につながってしまいます。目線を上げて、適度な声量で話すようにしましょう。
②相手の目を見て話す
目線は相手の目に向けるようにします。直接目を見ることが難しい人は眉間を見るようにしてください。しかしずっと目を合わせると、にらんでいるように思われてしまうことがあります。適度に胸元などを見るようにして、目線を外してみましょう。少し意識するだけでも相手に与える印象は変わってくるので、ぜひ実践してみてください。
③表情はできるだけ笑顔に
コミュニケーションの基本は笑顔です。できるだけ微笑みながら会話するように心がけましょう。バランスが難しいですが「あいまいに笑っている」と思われないような、爽やかな笑顔ができるとベストです。
退室時のマナー
①終わったら立ち上がりあいさつと一礼をする
面接が終了したら、椅子から立ち上がり「本日はお忙しいところ、面接のお時間をいただきありがとうございました」とあいさつし、一礼をしましょう。
②ドアの前で最後にあいさつと一礼をする
ドアの前まで歩いたら、退出する前に再度、面接担当者に向き直りあいさつと一礼をしてから出ましょう。
③静かにドアを閉めて退出
退出後はドアを静かに閉めます。その際も、入室時と同様に後ろ手ではなくきちんと振り返ってドアを閉めるようにしましょう。
面接でよく聞かれる質問例
志望動機に関する質問
①志望動機や応募理由について
アルバイトの志望動機は、採用可否に大きく関わります。「家から近い」「給料がよい」という理由の人もいるかもしれませんが、面接担当者の視点からすると、これらの動機だけで好印象を与えることは難しいようです。面接官は志望動機やその後の質問で、「長く仕事を続けてくれそうか」「仕事に対して意欲があるか」などを見極めていくことになります。従って、自分の志向と合わせて、これらのことを盛り込んだ志望動機や応募理由をあらかじめ考えておくとよいでしょう。
アルバイト経験に関する質問
①これまでのアルバイト経歴
これまでのアルバイトの経歴について問われることもあります。まったく同じではなくとも似たようなアルバイトの経歴があれば、経験者として採用されやすくなるでしょう。例えば、これまでに販売の経験があり、アパレル業界でのアルバイトがしたいと考えているなら、接客経験があることをアピールできます。
②前のアルバイトを辞めた理由
アルバイトの経験がある場合、面接担当者はその仕事をなぜ辞めたのかが気になります。前向きな理由や仕方ないと思えるような理由を伝えるようにしましょう。例えば「学業や資格試験勉強に専念するため」「転居などで生活圏が変化したため」などは、致し方ない理由として悪い印象を与えることはないでしょう。
「経験を活かして新しい挑戦がしたい」などの前向きな理由は、伝え方に注意が必要です。ある程度経験を積み、成長したら再び退職する可能性があるという印象を相手に与えかねません。企業側にもメリットとなるようなチャレンジ精神があることをうまく伝えられるとよいでしょう。
③他のアルバイトを現在しているか
採用後のシフト調整や税金手続きの確認のため、ほかにアルバイトをしているか質問されることがあります。聞かれたら正直に答えるようにしましょう。業種によっては情報漏洩えい防止などの理由からアルバイトの兼任を禁止していることもあります。面接を受ける前に雇用条件でアルバイトの掛け持ちが許可されているか確認するようにしましょう。
あなたの人柄に関する質問
①長所と短所について
どのような職種であれ「明るく前向きに、協力して仕事ができること」が求められます。これらをベースにして、応募するアルバイトに活かせるような経験や価値観をアピールできるように準備しましょう。また短所を聞かれた際には、どのように注意し克服しようとしているかを伝えると、好印象を与えることができます。
②大学や趣味について
一般的に学生の本分は学業であるため、アルバイトと両立できそうなのか、面接官は判断する必要があります。大学での生活や趣味に関する質問をされた場合は正直に伝えつつも、アルバイト先に極力迷惑をかけないよう努力する姿勢を伝えておくとよいでしょう。
シフトに関する質問
①週にどのくらい、1日に何時間シフトに入れるか
シフトの入り具合は、面接担当者が最も気にしている条件の一つです。接客業などであれば、連休や長期休暇を含む繁忙期に、どれだけシフトに入れるのかも確認したいと考えています。しかし良い印象を与えたいからという理由で、自分が想定していた以上のことは伝えないようにしましょう。実際にアルバイトが始まった際、面接時に話していたこととギャップがあると、印象は一気に悪くなってしまいます。
②交通手段について
交通費の支払いや通勤時間を確認する理由で、アルバイト先へ向かうための交通手段を聞かれます。徒歩や自転車、電車やバスなどさまざまな交通手段がありますが、アルバイトを始めてから実際に使う手段をそのまま話しましょう。アルバイト先の規定によりますが、交通手段によっては交通費が支給されることがあります。
③いつから働けるか
新人研修やシフト作成の都合から、採用された場合、いつから働けるか尋ねられることがあります。こちらも正直に答えましょう。不明な場合には、いつごろ判明するのかをきちんと伝えてください。
まとめ
この記事では、アルバイトの面接を受ける際に、面接で聞かれる頻度の高い質問や、面接時の服装、持ち物、面接のポイントについて解説しました。面接前には、身だしなみや質疑応答の準備など、対策できることが多分にあります。持っている力を100パーセント発揮するためにも、入念な準備をしてから面接に臨みましょう。
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