自己紹介を1分で求められたときのコツを解説


就活における面接では、「1分で自己紹介を」と求められることが少なくありません。また、1分という時間の指定がない場合でも、自己紹介は1分程度に収めるのが基本です。

面接の最初に行う自己紹介は、第一印象を決める重要なポイント。面接全体の評価につながりかねない重要なものであると同時に、うまくプレゼンできればその後の面接の流れも良くなります。

本記事では、1分で自己紹介を求められた際に話すべき内容やコツについて解説しています。これから面接に臨む方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「1分で自己紹介」とは

面接では冒頭、「それでは最初に、1分程度で自己紹介をしてください」などと言われます。自己紹介は定番の質問であると同時に、短時間でアピールできる良い機会です。

まずは、「1分で自己紹介」の概要について説明していきます。

面接でよく質問される項目

面接では、必ずと言っていいほど自己紹介を求められます。自己紹介は冒頭に行うため、これから始まる面接の「つかみ」として、自分の基本的な情報を伝えることができる時間と捉えましょう。面接官からすると、具体的な質問に行く前に学生の雰囲気をつかみたい、コミュニケーションを図りたいという意図もあります。

このように1分で自己紹介には、面接という緊張の場を和ませるためのアイスブレイクという側面や、受験者の基本情報を面接官と共有できるという役割があります。

自分を短時間でアピールできる絶好のタイミング

自己紹介は、自分を短時間でアピールできる絶好の機会です。名前や出身大学といった基本的な情報を話したうえで、学生時代に特に力を入れてきた項目や自分のアピールポイント、興味のある業界や仕事について伝えることができます。

1分という短い時間ですので、話し過ぎないこと、面接で深掘りしてほしいことをさりげなく触れることなどがポイントなります。

ここで第一印象が決まる

面接の最序盤で聞かれる自己紹介の内容で、第一印象が決まってしまうこともよくあります。自己紹介はどこの企業でも聞かれる質問ということもあり、「ちゃんと準備してきているか」などを見ていることも多いです。言葉に詰まったり、沈黙を作ってしまったりして気まずい空気にならないよう、何を話すかあらかじめ考えておきましょう。

面接を受ける企業や仕事に関わるようなアピールポイントを仕込めると、面接官の関心を集められるかもしれません。とはいえ、自己紹介がすべてではないというのも事実。うまくいった場合でも気を緩めず、また、失敗した場合でもその後の対応で十分挽回できるため、気にし過ぎないことも大切です。

自己紹介で面接官が見ているポイント

ここでは、自己紹介を求めてきた面接官が、具体的に何に注目しているか、どういった点を大事にしているかを解説します。自己紹介は評価に直結こそしませんが、面接の「つかみ」と言えるため、以下を意識して準備しておくと良いでしょう。

コミュニケーションスキル

自己紹介で面接官がチェックしているポイントの一つに、コミュニケーションスキルがあります。相手に伝わるように分かりやすく説明する心がけをしているか、回りくどい説明になっていないか。といった基本的なコミュニケーションスキルが見られていることが多いです。

1分という短い時間で相手に簡潔に伝えることを意識できているか、面接対策をする上で念頭に入れておくことをおすすめします。

書類からでは分からない本人の人間性

面接に至るまでは、企業側はエントリーシート(ES)や履歴書といった書類でしかあなたのことを知る手段がありません。そのため、志望動機や熱量を面接の場で再確認しながら、一緒に仕事ができそうな相手か、コミュニケーションをする上で困るような相手ではないか、といった人間性を見ています。

計画性などのビジネススキル

自己紹介に制限時間を設けることの理由として、本人の計画性を見ている場合もあります。1分という短い時間の中に話すべき内容を盛り込み、相手の関心を惹くスキルはビジネスにおいても必要です。学生なので完璧にこなせなくても問題はありませんが、面接においては自己紹介を1分間で求められることは多いので、練習しておく価値はあります。

1分で自己紹介をするときに話すべき内容

続いては、1分で自己紹介をするときに話すべき内容について説明していきます。最初に説明する名前と所属は必ず内容に含め、自分の特徴は今後の面接で深掘りされたいものを選択すれば良いでしょう。

自己紹介のアジェンダ

自己紹介を1分程度で完了させるには、以下の流れと秒数で簡潔にまとめておけると良いでしょう。名前や出身校などは履歴書を見てもわかるため簡潔に伝え、ESや履歴書で書いた自分がアピールしたいポイントを中心に自己紹介を構成してください。最後は、面接への意気込みや熱量を伝える内容にすると締まりが良くなります。

  • 名前、出身、出身大学(10秒)
  • アピールしたい内容(40秒)
  • 意気込み(10秒)

1.名前

自己紹介では「自分がどういう人間なのか」を簡単に伝えますが、名前はそのような情報を伝える上での前提です。たとえ、互いに顔と名前を知っている関係でも、自己紹介では必ず名乗るようにしましょう。

伝える際にはただ名前を述べるだけでなく、印象を残せるようにしたいところです。漢字でどう書くのか、珍しい苗字の場合はどこの地域には多いのか、名前の由来など、何か情報を追加すれば印象に残りやすくなると同時に、コミュニケーション能力が高い雰囲気を与えることができます。

2.所属

所属する大学の情報も伝えるようにしましょう。どこの大学の何学部、何学科という基礎的な情報はもちろん、簡単に何を学んでいるのかも伝えたいところです。特に面接している企業の業務に役立つ内容を勉強しているのであれば、アピールにもなります。

3.自分の特徴

名前と所属を説明した後、アピールできそうな自分の特徴について触れましょう。この際、むやみやたらに盛り込み過ぎると何が言いたいのかぼやけてしまいます。以下で解説するものから絞って伝えるようにしてみてください。

出身地

出身地は特にアピールできる特徴がない場合に役立ちます。特に出身地が遠い人であれば、「温泉があふれる大分県から来ました」「りんごが美味しい青森県出身です」といったように、地域の名産などを加えた上で出身地を一言で話しましょう。

出身地が高評価につながることはありませんが、だからこそ話題にすることで面接の場が和むことが期待できます。面接官がその地にゆかりがあったり、旅行などで楽しんだ経験があったりすれば、距離が近くなるきっかけになるかもしれません。

趣味

趣味も直接アピールにはつながりにくいものなので、無理に伝える必要はありません。しかし、業界やその企業に関連しているものやインパクトが大きいものであれば話しておきたいところです。

例えばゲーム業界を志望していて、趣味がゲーム、といったイメージです。業界やその企業に関連する趣味であれば、「この業界に理解がある」「消費者としても自社を好きでいてくれている」と思ってくれる可能性があります。

サークルや部活動

サークルや部活動に打ち込んだ経験がある場合は、積極的に話しましょう。直接仕事に関係がないとしても、努力して目標に向かう姿勢や経験は社会でも価値があります。さらに、そこに結果が伴っている場合は、きちんと目標に向かって計画的に物事をこなし、成果につなげられることをアピールできます。

また、部長やキャプテンといったチームをまとめた経験があれば、ぜひ紹介したいところです。会社では多くの場合、自部署の仲間や関連部署、社外のステークホルダーと関わり合います。リーダー的な役割をこなせる人は重宝されるので、簡単に触れると良いでしょう。

経験したアルバイトやインターン

アルバイトやインターンの経験では、真面目に指示に従って働ける姿勢や、成果をアピールすることができます。アルバイトでは単に働いていただけでなく、例えば「学業が大変でも遅刻や欠勤はしたことがない」「店長と経営の話をして勉強になった」など、付加価値を伝えましょう。

インターンでは、できれば面接を受けている企業に関連する経験を伝えたいところです。ただ、もしも全然別の業界だったとしても、逆にその経験を踏まえ、「応募企業のほうに興味が出てきた」などとつなげることもできます。

興味のある業界

興味のある業界が今面接を受けている企業の場合、興味のある業界を話してもよいでしょう。面接企業に対する志望理由は自己紹介の後で聞かれますが、その前に業界としても興味があり、調べていることを伝えることにより、志望度の高さをアピールできます。

その他、自身を表現できるアピールポイント

自己紹介はアイスブレイク的な意味合いが強いため、特別なエピソードは必要ありません。ここまで挙げたもの以外でも、自身を表現できるアピールポイントがあれば、話してみても良いでしょう。

4.面接への意気込み

一通りここまで説明した内容を話したら、最後に面接への意気込みでしめましょう。あまりに強く、例えば「絶対に御社に入社したいので、不退転の覚悟でがんばります!」のように言うと「空気が読めない」「コミュニケーション能力が足りない」と判断されかねません。

ここは簡単に「御社の○○業務にとても興味があります。本日はどうぞよろしくお願いします」くらいで締めるのが良いでしょう。なお、志望動機は別で聞かれるのでここで具体的に触れる必要はありません。

1分で自己紹介をする際のコツと注意点

「1分で自己紹介」では、短時間で的確に伝えたいことを印象良く伝える必要があります。そのためにはあらかじめ押さえておきたいコツ、そして注意点を押さえていることが重要です。

それでは、一つずつポイントを見ていきましょう。

面接で深堀してほしいエピソードにつながる内容を入れる

自己紹介の内容から、面接官が深掘りするポイントを決めていくこともあります。面接では個人的なことを深く聞いてもらうことで自分らしさをアピールでき、また他の学生との差別化を図ることができます。多くの学生を面接する相手に印象付けるためには、やはり差別化は重要です。

自分をアピールできる、面接官に聞いてほしいエピソードを深掘りするきっかけ(フック)になるようなコメントを入れておくと、面接官がそのあと深掘りしてくれる可能性が高まるでしょう。

内容は簡潔に伝える

1分は長いようで短いもの。含められる情報量は多くないため、内容は簡潔に伝えることを意識しましょう。一つの文章が長いと、聞いている人は「ダラダラしている」と感じてしまいがちです。また、話すことは簡潔に1文を短くまとめたほうが、緊張する面接の場でも伝えたい内容を思い出しやすいでしょう。

長い文章を丸暗記すると、面接官にも「丸暗記感」が伝わってしまい、あまり良い印象を与えません。簡潔に伝えることは分かりやすいだけでなく、自分の言葉で話している感じも与えることができるでしょう。

早口になりすぎないように気をつける

多くを伝えようとすると、どうしても早口になりがちです。早口で話すと聞き取りづらいだけでなく、自信のない印象を与えてしまいます。また、何が言いたいかよくわからず、要点が絞られない危険性があります。

人は緊張すると早口になってしまいます。最初のテーマである自己紹介では多少早口になってもしょうがない部分はありますが、やはり可能な限り落ち着いて話したいものです。話したいことを整理し、ゆっくり話すよう心がけましょう。

事前に練習しておくのがおすすめ

面接では必ずと言っていいほど自己紹介のパートがあるため、話す内容を復唱して練習しておくと安心です。前もって話す内容を文章に起こすなどし、実際に声に出してみましょう。事前に練習することで、当日も緊張せずに言いたいことを言葉にできます。

また、練習の際は他の人に聞いてもらったり、録音したりするとブラッシュアップに有効です。特に、他の人に聞いてもらうと、内容がきちんとしているかどうかはもちろん、話す際の悪い癖なども把握できます。癖は自分では意外と気づかないもの。「つい手遊びをしてしまう」「相手の目を見ていない」「変な口癖がある」などの欠点を事前に修正できれば、面接官に好印象を与えやすくなります。

他の人に聞いてもらう機会がない場合は、録音して自分で聞くことをおすすめします。

1分ジャストである必要はない

「1分で自己紹介してください」と言われても、ジャスト1分である必要はありません。1分というのはあくまで目安であり、多少前後するくらいは問題ないと言えます。重要なのは、コミュニケーションスキルや要点をしっかりまとめられているか、時間配分をある程度考えた内容になっているか。これらに気をつけていることが伝われば、仮に30秒伸びてしまったとしても、悪い評価につながることはないと言えます。

「1分間ジャスト」にこだわりすぎず、伝えるべき内容をきちんと伝えるようにしましょう。

自己紹介は盛りすぎないようにする

自己紹介はあくまでもアイスブレイク的な役割であり、自己PRとも異なります。あまり話を盛りすぎると軽薄な印象を与えかねず、嘘っぽく聞こえることもあります。自己紹介では過剰にエピソードを盛ることなく、自分がどのような人間なのかが好意的に伝わるような内容にしましょう。

また、面接の途中で自己紹介の内容について深堀りされることも多いものです。嘘をつくと深掘りされた際に困りますので、身の丈にあった自己紹介をしてください。

ダラダラと話しすぎない

自己紹介については、長過ぎるよりは短いほうが良いです。入社後も、ホウレンソウ(報・連・相)では結論を最初に述べ、要点を簡潔に述べることが求められます。その点から、最初の1分で自己紹介ができることが報告の基礎と考える企業もあります。

ダラダラと話し過ぎず、1分以内に収めることを意識しましょう。

まとめ

1分間の自己紹介で自分らしさと簡潔に話ができることをアピールできれば、面接での質問をうまく誘導できたり、面接全体の印象が良くなったりすることが期待できます。

自分のアピールポイントを整理し、事前に練習をしつつ、自分らしいプレゼンテーションで自己紹介を作り上げましょう。

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