第二外国語の「スペイン語」について解説!メリットや将来性、習得難易度


大学で「スペイン語を第二外国語として履修している」もしくは「履修を検討している」という方は、意外と多いでしょう。本記事では、第二外国語としての「スペイン語」のメリットや将来性、習得難易度について解説しています。

世界的に見ても話者数が多いスペイン語を学ぶことでビジネスや就活シーンでどのように活躍できるかのほか、スペイン語の特徴や学習する上で気をつけたいポイントを紹介。また、中国語や英語など他言語に比べて、学習難易度がどの程度の難しさかを解説します。

スペイン語学習の4つのメリットと将来性

1.話者人口が非常に多い

スペイン語は4億人以上の母国語話者を持ち、世界で広く話されている言語です。これは英語や中国語などに次いで多い数であり、国連の定める6つの公用語の1つでもあります。スペイン語を学ぶことにより、グローバルコミュニケーションにおいて大きなアドバンテージを獲得できると考えられます。スペイン語話者の人口は今後も増加すると予想されており、スペイン語の重要性もさらに高まるでしょう。

2.スペイン語が公用語の国が多い

スペイン語は、20カ国以上で公用語または日常語として使われている言語です。その中には、ラテンアメリカの多くの国々やスペイン本国が含まれます。スペイン語を公用語や日常語とする国々は経済的に成長している傾向にあり、特にラテンアメリカは近年、国際ビジネスの観点からも注目されています。

スペイン語を学ぶことで、それらの国々との効果的なコミュニケーションが取れるようになり、ビジネスの観点においてもメリットがあると考えられるのです。

スペイン語を公用語・日常語とする国の例

  • スペイン
  • メキシコ
  • コロンビア
  • アルゼンチン
  • プエルトリコ
  • ペルー
  • チリ
  • エクアドル
  • コスタリカ
  • ボリビア
  • パラグアイ
  • ウルグアイ
  • ドミニカ共和国
  • パナマ
  • ベネズエラ
  • ニカラグア
  • キューバ

上記のようなスペイン語を公用語とする国々は、EUやユネスコなどの国際機関においても存在感が増しています。そのため、スペイン語を習得すると、そうした国のステークホルダーと有利にコミュニケーションが取れる可能性があります。

3.英語に似ているため習得しやすい

スペイン語は、比較的覚えやすい言語とされています。スペルはローマ字のように読みやすく、発音がしやすい点も特徴と言えるでしょう。また、文法構造や語彙は、英語との類似点が多くあります。

文法は英語と同様に、主語-動詞-目的語(S-V-O)の並びになっています。語彙についてもラテン語からの借用語が多いこともあり、「コグネート」と呼ばれる、英語と同様の意味を持つ同単語があります。例えば動物を意味するAnimalや、Family(家族)、Natural(自然)などのように、英語と同じスペルと意味を持つ単語が複数あります。ほかにも、若干スペルが違うだけで同じ意味を持つ単語が多く存在するため、英語を使い慣れている人にとっては覚えやすい言葉が多いのも特徴でしょう。

名詞に性(男性詞と女性詞)があったり、人称に応じて語尾が変化したりするなど、細部を見ていくと異なる部分はかなり多いのも事実です。しかし、英語を使い慣れた人からすれば比較的触れやすい言語であると言えます。英語を学んでいれば、スペイン語の学習においてもモチベーションを保ちやすいでしょう。

就活やビジネスなど将来性は一定期待できる

スペイン語を習得することで、就職活動やグローバルなビジネスシーンにおける活躍も期待できます。前述の通り、スペイン語を公用語とする国は経済成長が著しく、スペイン語ができればそうした国とビジネスをする機会が生まれる可能性があるからです。スペイン語を公用語とする世界的企業を相手にできるなど、スペイン語を話せるだけで大きくリードできると言えます。このように、スペイン語は将来性に期待できるため、第二外国語として学ぶメリットがあると考えられます。

注意すべきポイントとしては、世界的に話者人口が最も多い中国語の存在が挙げられます。ビジネスにおけるグローバルコミュニケーションでは、中国語の利用頻度や重要度も高まっています。そのため、習得にかかる年月を考えても、どちらを学ぶかはしっかり判断したいところです。

スペイン語の特徴

名詞に性別がある

スペイン語の主な特徴に挙げられるのが、フランス語やドイツ語と同じく、名詞が男性名詞と女性名詞に分かれる点です。

スペイン語はすべての名詞が性別を持っています。通常、男性を意味する言葉や、”o”で終わる名詞が男性名詞で、女性に関連する言葉や”a”で終わる名詞が女性名詞です。また、この性別は関連する形容詞などにも影響し、使う名詞に合わせて形容詞も変化します。男性名詞と女性名詞は英語にはない概念であり、学習時に戸惑いやすい点と言えるでしょう。

スペイン語意味
hombre男性名詞
mujer女性名詞
libro男性名詞
mesa女性名詞テーブル

語尾変化の種類が多い

スペイン語の動詞は、人称や時系列に応じた変化があるのも大きな特徴です。動詞ごと使い分ける必要があるため覚えることが多いですが、表現したいことを正確に伝えるためにはこの語尾変化の特徴を理解し、マスターする必要があります。

例えば「hablar(話す)」という動詞は、「yo hablo(私は話す)」「tú hablas(あなたは話す)」のように人称に応じて変化します。また時制によっても変化があり、「yo hablé(私は話した)」のように、人称が同じでも現在・過去・未来の表し方によって動詞が変化します。

また、名詞を表現するための形容詞も男性名詞・女性名詞によって使い分けが発生します。「grande(大きな)」は男性名詞・女性名詞にかかわらず同じように表現されます。一方、「bonito(美しい)」を意味する形容詞は男性名詞には「bonito」、女性名詞には「bonita」のように語尾が変化するケースがあります。

el libro grande(大きな本)
la mesa grande (大きなテーブル)
el libro bonito(美しい本)
la mesa bonita(美しいテーブル)

文法(語順)の柔軟性が高い

スペイン語は、語順の柔軟性が英語よりも高いという特徴があります。例えば、「El gato come pescado(猫は魚を食べる)」という文は、「Come pescado el gato」と言い換えられます。語順に柔軟性があると、詩や文学、日常会話において、どのようなことを中心に置いて会話したいか」という話者の”気持ち”に応じて文法や語順を変化させられます。そのため、英語などに比べてより情緒的で表現豊かなコミュニケーションが可能になるのが特徴的です。

アクセントの位置を文章に表記する

スペイン語ではアクセントの位置が意味に影響を与えるケースがあり、それを明示するために文章中にアクセント記号を活用します。アクセント記号は、単語の意味を区別するのに役立つだけでなく、正確な発音を導くためにも使用されるため、スペイン語を学ぶ人にとっても理解を促しやすいという利点があります。

規則性から逸脱したらアクセントを付ける

スペイン語におけるアクセント記号の基本的な使用ルールとしては、単語の発音が標準的なアクセント規則から逸脱した場合に限定されます。単語ごとで自然なアクセントが予想できる場合、アクセント記号は不要です(最後から二番目の音節にある単語が母音や「n」「s」で終わる、または最後の音節にある単語がそれ以外で終わる場合)。

アクセントによって意味が異なる単語もある

スペイン語では、アクセントの有無で異なる意味合いになる単語もあります。例えば、「él」(彼)と「el」(英語でいう定冠詞の「the」)のように、アクセント記号を付けることで、同じ綴りでも異なる単語を区別するという役割を果たしています。

発音を習得しやすい

  • 原則1つの単語につき1つの発音しかない
  • 発音が日本語の発音体系に近い

スペイン語の発音は、日本人にとって比較的習得しやすいというアドバンテージがあります。スペイン語の単語には、原則1つの発音しかないといった一貫したルールがあるからです。また、スペイン語の発音が日本語の発音体系に近いことも理由に挙げられます。

こうした事情から、スペイン語は日本人にとって発音を覚える学習コストが他言語に比べて少なめであると言えます。正確な発音を習得する速度も早くなりやすく、発音に自信を持って言語が使えるようになる点もメリットでしょう。

スペイン語の習得難易度

英語に比べると難易度が高い

スペイン語は習得するために覚えることが多く、総合的に見て英語よりも難易度の高い言語です。英語を学習してきた人にとっては、スペイン語の文法の構造や語彙なども習得難易度の高さに影響しています。

これまで説明してきた通り、スペイン語習得においては名詞の性別を覚えたり、動詞の語尾変化やアクセント記号のルールを身につけたりする必要があります。また、感情表現に合わせた文法の変化もあり、インプットすることが非常に多いのも特徴です。

スペイン語を使いこなせれば、交流の輪が広がったり情緒的なコミュニケーションを取れたりと、メリットも少なくありません。一方、覚えることの多さに悩んでしまうケースもあるでしょう。習得に向けたハードルは、決して低いものではありません。ですが、そこを乗り越えれば、スペイン語のリズミカルで情緒的な表現を十分に使いこなせるようになるでしょう。

フランス語やイタリア語に比べれば習得はやや容易

スペイン語は、同じロマンス語に分類されるフランス語やイタリア語などに比べると、文法や発音などに自由度があり、覚えやすい部類だと言えます。明瞭な発音ルールや直感的な文法構造など、覚え始める際の基礎を固めやすい部分が多いためです。

ほかにも、日本人の慣れているローマ字読みが通用する単語も多かったり、発音についても文字列と発音で大きく異なるケースが少なかったりするので、覚えやすい言語と言えるでしょう。また、Family(家族)、Natural(自然)などのように英語と同じ、または似通った単語も多く存在するため、英語学習を通ってきた人にとっては、覚えるべき単語が少なくなるのも有利な点です。

語尾変化についてしっかり覚えることが重要

スペイン語学習では、語尾変化を覚えることが非常に重要です。語尾変化は言語の柔軟性や表現力を高める上で役立ちますが、覚えることが多くなるという側面も持ちます。これからスペイン語を学ぶ人にとっては、人称や時系列に合わせた単語の活用方法などを数多く覚える必要があります。

語尾変化によって言葉の意味するところや、相手への伝わり方が変化してしまうため、スペイン語を学ぶ際は、語尾変化についてしっかりと時間をかけて学んでいく必要があると考えておきましょう。

学習の際には、実際に会話で活用してみるほか、「多読多聴」を行って自然な文脈で言葉を使っているシーンに触れていくことがおすすめです。

まとめ

スペイン語は世界的に見ても話者人口が多く、英語や中国語に次いで世界的な言語になっています。そのため、グローバルなビジネスシーンで使いこなしたいという思いから第二外国語として学習を検討する人も少なくありません。

スペイン語の習得には多くの単語や表現を覚える必要があり、学習にはそれなりの時間を要します。一方、発音の明快さや発音のしやすさ、表現の豊かさにも特徴があるので、楽しく学習しやすい言語と考えられるでしょう。 英語に比べると覚える難易度は比較的高めではありますが、言語の持つ将来性を鑑みても、学習する価値のある言語であると言えます。

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