就活グループディスカッションのよくあるテーマ

就職活動で定番の選考ともいえるグループディスカッション。ESや面接はある程度事前に考えをまとめて臨めますが、グループディスカッションは当日のメンバーや討論テーマによって臨機応変に対応する必要があり、苦手意識を持っている就活生も多いでしょう。今回は就活生の不安を取り除くため、グループディスカッションの種類、大まかな流れ、よく出されるテーマをご紹介します。本記事でグループディスカッションを理解し、選考に通過できる確率を大幅に上げましょう。


グループディスカッションの種類

グループディスカッションには大きく分けて、自由討論型、課題解決型、ディベート型、選択型の4種類があります。もちろん当日までどの種類が出題されるか分からないため、すべての種類を把握しておく必要があります。

自由討論型

まず一つ目は自由討論型です。自由討論型を簡単に説明すると、個人によってさまざまな考えや意見があるような、答えに正解がなく抽象的な表題が出る形式です。抽象的で明確な答えがないため誰でも意見を出しやすいですが、話をうまくまとめる人がいなければ論点がずれていきます。企業側としては「Aの答えはBである」といった明確な正解を求めているのではなく、抽象的な質問から回答にたどり着くまでの各々の役割、発言内容や考え方、意見のまとめ方、議論に参加する姿勢といったプロセスを重要視しています。そういった面接官の見ているポイントを念頭に置きながら、グループディスカッションに参加する必要があります。

例)良い会社とはどんな会社ですか?

課題解決型

2つ目は課題解決型です。こちらは、さまざまな社会課題に対して解決策を討論する形式です。設定されるテーマは時事、社会問題から志望する企業が抱えている課題まで幅広く、また出題形式もテーマだけ与えられるものから、事前に概要資料やデータが与えられるものまでさまざまです。自由討論型は明確な答えがない問いが多いため、最終的に導き出した答えによって採点が変わることは多くありません。一方で課題解決型は、プロセスに加えて最終的な結論の精度や発表の説得力も面接官に見られています。短い時間でさまざまな資料から最適な回答を導き出す、非常に難しい形式の一つです。

例)商品Aのマーケティング資料を読み、1年後に利益を2倍にする方法を提案してください

ディベート型

3つ目はディベート型です。こちらは、賛否のあるテーマに対して賛成派と反対派に分かれて討論をする形式です。賛成派あるいは反対派の与えられた立場から、論理的に説得する能力が求められます。ディベート形式になるとどうしても討論がヒートアップしてしまいますが、いかに冷静に相手を説得させることができるかを面接官は見ています。また多くの場合は個人対個人よりも、集団対集団で討論を行うため、いかにグループ内の意見をうまくまとめ、相手に打ち破られない理論を立てられるかが重要になってきます。

例)お店の24時間営業は必要か否か

選択型

4つ目は選択型です。こちらは与えられた複数の選択肢の中から一つを選び、選んだ理由を議論する形式です。重要なのは、各選択肢のメリットとデメリットを理解した上で、優先順位を立てていくことです。チームメンバーにもそれぞれ考え方や価値観があるため、意見を集約、決定するのは一筋縄ではいきません。司会進行役のリーダーシップ力が強く問われる表題となります。

例)人生で仕事、恋愛、家族の優先順位をつけるとしたら

グループディスカッションのおおまかな流れ

グループディスカッションの大まかな流れは次のとおりです。

  • テーマ・条件・時間などの発表
  • 議論の準備
  • 議論の開始
  • 議論の終了
  • 内容の発表
  • 面接官などからのフィードバック

議論の進め方

それでは具体的な議論の進め方について見ていきます。

①議論の準備をする

  • 時間配分・役割を設定
  • 課題・目的のすり合わせと前提の設定

まずは議論を始めるにあたって、時間配分・チームメンバーの役割を設定しましょう。仮に30分間与えられている場合は、遅くとも20分で話し合いをまとめ、残り10分で発表方法などを決める必要があります。また円滑に議論を進めるためにもチームメンバーの役割決めが必要です。役割は、司会進行、書記、タイムキーパー、発表者などがあります。

また、同時に課題・目的のすり合わせと前提の設定も行いましょう。具体的には、何について話し合うのか、議論の着地点はどこなのか、前提条件は共通認識かを確認します。ここがグループ内でずれていると、いくら討論しても有意義な答えが出てきません。

②議論を開始する

  • 意見・アイデア出し
  • 意見・アイデア整理
  • 結論を出す

議論の準備ができたら、早速議論を開始します。どういったテーマが出されても、グループ内で意見が出てこなければ話は進みません。まずは討論前に1分間のブレストを行うなどして、各々の考える時間をつくるようにしましょう。また司会進行役はチームメンバーを順番に当てるなどして、意見が出しやすい雰囲気づくりに努めましょう。書記役は出てきたさまざまな意見を紙やホワイトボードにまとめ、アイデアの整理に努めます。またグループディスカッションでは、ただ意見を出し合って終わりではなく、発表に向けて結論を出さなければなりません。意見が対立してまとまらない場合は、多数決をとったり折衷案を考えたりして、とにかく時間内に結論を出すことを第一に考えましょう。

③発表の準備~発表する

  • 発表の準備・練習
  • 発表

結論が出た後は発表の準備を行います。いくらグループディスカッションで素晴らしい答えを導き出しても、発表がグタグタであれば評価は低くなってしまうでしょう。PowerPointで資料を作成する、ホワイトボードに討論のプロセスをまとめるなどして、発表内容の分かりやすさを心掛けましょう。

グループディスカッションのよくあるテーマ

ここからは、グループディスカッションでよく出題されるテーマを紹介します。あらかじめさまざまなテーマを想定しておくことで、当日スムーズに発言することができ、自身をアピールする要素にもなり得ます。

自由討論型のテーマ例

  • これから伸びる業界とは?
  • 理想の上司とは?
  • 理想のはたらき方とは?
  • お客さまが満足する最高のサービスとは何か?
  • 無人島に行くときに持っていく、必要最低限のものと理由を考えてください
  • オリンピックで日本代表選手のメダル獲得数を3倍にする方法を考えてください
  • AIが発達しても20年後に残っている仕事の条件を挙げてください
  • 理想の社会人とは?
  • 良い会社の3つの条件とは?

自由討論型のテーマの解答例

テーマ:良い会社の3つの条件とは?

給料面、残業が少ない、大企業など良い会社の条件は無数にあります。そのためチームメンバーで前提条件をつくり、それに基づいて議論を進める必要があります。

例えば、良い会社に必要な3つの条件として、会社ではたらく個人が成長できるという観点で話し合いをするとします。すると、1つ目の答えが若手でも裁量権を持てる(案件の規模に制限がない)。2つ目が経営者を顧客とした営業職ができる(人脈の構築・視座を高められる)。3つ目は卒業制度がある(退社後も横のつながりを維持できる)などが考えられます。

課題解決型のテーマ例

  • コンビニの売り上げを上げるための施策を考えてください
  • 百貨店の売り上げを伸ばすには?
  • 自社商品の認知度が低いという課題を解決してください
  • 日本の人口減少を食い止めるにはどのような施策が必要ですか?
  • 経済を止めないコロナ対策を考えてください
  • 貧困に苦しむ国を救う方法を考えてください
  • 新型コロナウイルス感染拡大への予防意識を高めるアイデアを考えよ
  • 一発屋のお笑い芸人が再ブレークを果たすためには何をすればよい?
  • 高齢者の運転免許証を早期返納させるにはどうすればよいか考えよ
  • ハンバーガーチェーンの売り上げを伸ばすにはどうするべきか

課題解決型のテーマの解答例

テーマ:ハンバーガーチェーンの売り上げを伸ばすにはどうするべきか

まず、提示された資料から主力製品であるハンバーガーの利益率が低い点に注目します。そのためいくらハンバーガーを販売しても、大きな増収につながりません。そこで、利益率が高いサイドメニューをつくり、ハンバーガーの価格を下げることで顧客を増やし、売り上げを伸ばす、などの解答が考えられます。

課題解決型の表題は、併せて資料の提示が必要なケースが多いため、時間配分に気をつける必要があります。また、志望する企業が抱える課題についての解決策が問われるケースもあります。しっかりと企業分析をした上でグループディスカッションに臨むようにしましょう。

ディベート型のテーマ例

  • 夫婦別姓に賛成か、反対か
  • 就職活動の早期化に、賛成か反対か
  • 個人と集団とではどちらの利益が優先されるべきか
  • 消費税を値上げするべきかどうか
  • たばこ税を値上げするべきかどうか
  • 日本は移民を受け入れるべきかどうか
  • 人間にとって大事なのは外見か性格のどちらか
  • 男性の育児休暇を義務化するべきかどうか
  • 飲食店の全面禁煙に賛成か反対か
  • お店の24時間営業はあるべきかどうか

ディベート型のテーマの解答例

テーマ:飲食店の全面禁煙に賛成か反対か

あなたが仮にタバコを吸わない人であっても、ディベートでは反対の立場として可能性もあります。常日頃から反対意見を想定し、さまざまな角度から社会課題を考える癖を身につけましょう。

賛成派解答例

やはり最初に挙げられる点は健康への影響です。全面禁煙になることで喫煙回数が減り、喫煙者自身の健康にも良い影響が出ると考えられます。また、利用頻度の高い飲食店での受動喫煙も激減し、喫煙者、非喫煙者問わず健康面で良い結果をもたらすと考えられるため、賛成です。

反対派解答例

もともと喫煙可能だった飲食店であれば、完全禁煙とした場合に、これまで利用していた顧客が離れてしまうデメリットがあります。その飲食店に新たに非喫煙者が顧客になるメリットも考えられますが、離れていった喫煙者が行き場を失い、飲食店全体の経済が悪化したり、路上喫煙などマナー違反に走ってしまったりなど、結果として社会全体に悪影響を与える可能性があるため、全面禁煙には反対です。

選択型のテーマ例

  • テレビとYouTubeはどちらが有益か?
  • 飲食店を出すにあたって大事なのは「立地」か「おいしさ」か?
  • 将来、子どもには大学に行くべきと言うか?言わないか?
  • 子どもにスマホを持たせるべきか否か?
  • 小学生にとって重要なのは「理科」か「社会」か?
  • 人生で仕事、恋愛、家族の優先順位をつけるとしたら
  • 10代、20代、30代、40代、50代、60代で最も充実している年代はどれか
  • 幸せには「お金」と「愛」どちらが必要か?

選択型のテーマの解答例

テーマ:幸せには「お金」と「愛」どちらが必要か?

今回は前提条件を、年収2000万円で愛がない人と、年収600万で愛がある人のどちらと結婚するかにします。結論としては、幸せのためには「愛」のほうが必要だと解答します。なぜなら、ハーバード大学の研究では、年収800万円を超えると、幸福度は上がらなくなると言われているからです。また、SMBCコンシューマーファイナンスの調査によると、子育てに前向きになれる世帯年収は600万円で、その最低値はクリアしているためです。よって私たちのグループは愛のほうが必要であると結論づけました。

このように、2つ以上ある選択肢の中から全員が納得する一つを選択する必要があります。全員を納得させるためには、主観的な意見だけでなく、数字やデータに基づく客観的な意見が不可欠です。スマホの使用が認められている場合は、さまざまなリソースを用いてデータ収集に努めましょう。

まとめ

今回はグループディスカッションで頻繁に出題されるテーマについて紹介しました。事前にどういったテーマが出題されやすいのかを把握しておくことで、当日スムーズに意見を出すことができ、自身の大きなアピール要素となります。また、グループディスカッションを効率よく進める流れを知っておけば、必ず時間内に議論を終えることができます。役割についても、自身の性格を考慮して最もアピールできるものを考えておきましょう。

パーソルキャリアの新卒採用エントリーはこちら!

パーソルキャリアは“人々に「はたらく」を自分のものにする力を”というミッションのもと、「doda(デューダ)」をはじめとする国内最大規模のHRサービス等、はたらく人と組織に関わる幅広い領域のサービスを展開している会社です。

社員一人ひとりが”キャリアオーナーシップ”を持って自分のキャリアを自ら切り開き、大手ならではのリソースを駆使しながらもベンチャーのような裁量権を持って顧客の本質的な課題を解決をしています。

  • ビジネス総合、プロダクト企画、エンジニアなど希望する職種コース別に採用選考を実施中!
  • 気軽に就活対策、企業研究ができるイベントを多数開催中!

 

新卒採用サイトの説明画像